まず、ドバイゴールデンシャヒーン、狙い方は間違っていなかった。あとはもう少し地元馬の中で精査をすればよかったので、この時は、しめしめと思っていた。
もちろんこの前にバスラットレオン、坂井瑠星の逃げ切りも見てるし、父ステイゴールドを彷彿とさせるステイフーリッシュの差し返しも見た。
ただここから先は地元馬に流れが来るんではないかと思っていた。
ドバイターフ。パンサラッサがもう少し飛ばして逃げるかと思ったが、意外とすんなりハナがとれて折り合いがついた。
それでも左回りで逃げ残れるかと見てたら、これが粘る粘る。
サフロンビーチも決して悪くなく、少し期待できた。
シュネルマイスターの不安は海外適性のみだったが、現状はそれが当たったということだろうか。
それにしたって、パンサラッサが同着ながら優勝、デットーリと吉田豊が肩を組んで表彰台に上がる光景を、令和の時代に誰が想像しただろうか。
吉田豊は落馬などで大けがを負い、復帰に時間がかかった。
競馬の神様はちゃんといるんだなと思わせてくれたし、ここまで3勝の矢作厩舎の手腕に最大限の敬意を表したい。
ドバイシーマクラシックは、シャフリヤール。
ドバイフューチャーはシンガリ人気だったが、直線の入り口までは期待してみれた。ワクワクできただけでもよしとしたい。
シャフリヤールはさすがダービー馬、強い競馬だった。
思えば不良馬場の神戸新聞杯、コントレイルがいたジャパンカップで負けただけ。
本来オッズが5倍もつくような馬ではなく、狙ってもよかったかなと今更ながら思ってしまった。
距離とタフな馬場に泣かされたライフイズグッド。
チュウワウィザードは着拾いのような乗り方だったが、ライフイズグッドが先頭に立ってバッタリになるような展開なら、それもベターな乗り方だっただろう。
チュウワウィザードはこれで1億円以上の賞金を得たのだから、たとえ着拾いでも、勝利を狙った騎乗でも、十分な対価は得た。
地元がここまでコケるとは想定していなかったが、アメリカの意地を見せつけられた。
これまで勝つことはおろか、好走すら難しかったダートで2勝もした。
ゴドルフィンマイルを初制覇したユートピアはのちに外国人に高値でトレードされた。
バスラットレオンはどうなるか、というより、何を目指すのか。
ブリーダーズカップダートマイルが秋にあるが、それまでをどう過ごすかもポイントだろう。
まさか南部杯ってことはないわけで。
武蔵野ステークスで大敗を喫した馬がゴドルフィンマイルを制する、まるで中央の重賞でダメでもブリーダーズカップディスタフを勝ったマルシュロレーヌのようだ。
矢作芳人調教師の常識を疑わない姿勢と、騎手へのシンプルな指示、責任の取り方。
そして、義理を重んじる姿勢。
吉田豊との関係、坂井瑠星との師弟ぶり、それも日本のファンの心を揺さぶったであろう。
第一は日本馬が勝つことだが、理想は日本馬と日本人騎手のコンビで勝つこと。
それを実現させた矢作厩舎はすごいし、これを上回る厩舎が出た時は世界トップクラスの競馬大国になる時ではないか。