ゴールドシップに関しては1度も馬券でお世話になったことがない。
ただ、ゴールドシップが出ていたレースで馬券自体はとっているので、嫌な思い出もそんなにない。
どちらかといえば、好きも嫌いもない、フラットな感覚で接することができる。
個人的に一番衝撃を受けたのが皐月賞だった。
たまたまこの日は会社の泊まりの研修が入っていた。
入社してさほど時間も経過していないが、競馬と酒が好きだったことで10歳も20歳も上の先輩たちと交流できた。
なので、この日も皐月賞は何で勝負するのかという話になる。
自分はアダムスピークを本命にしていた。
今思えば全然勝負していないのだが、ラジオNIKKEI杯の勝利を評価したのだろう。
稍重の中でハイペース、その中ではマイペースで先行していたはずのアダムスピーク。
内側は馬場が荒れてほとんどの馬が回避する中、ただ1頭だけ内を突いたのがゴールドシップだった。
アダムスピークが馬群に沈んでいく中、ゴールドシップの走りは痛快だった。
泊まりの研修がただただ嫌で、ほとんど記憶にも残っていない中、これだけはしっかりと記憶に残っている。
2013年の天皇賞春。
自分はレッドカドーを本命にした。
香港ヴァーズを勝ち、ドバイワールドカップも走り、それからすぐ天皇賞春。
レッドカドーのタフネスぶりには驚かされる。
日本馬なら1円も買わないが、わざわざ遠征してきたということは自信があるのだろうと思った。
4コーナーから直線のところでレッドカドーやゴールドシップ、ジャガーメイルが同じように上がってきた中、レッドカドーの勢いが鋭かった。
ゴールドシップが伸びない、それは前年のオルフェーヴルのような展開。
複勝1540円、いやはや、こうもつくとは。
となると、宝塚記念は復活するんでしょ?と思っていたら、これも前年と同じ。
この時はダノンバラードを本命にしていた。
前日、知り合いと予想を出し合った際、ものすごくバカにされたのを覚えている。
エイシンフラッシュの時もそうだったが、個人的にはそれもあってダノンバラードは来ると確信した。
ジェンティルドンナやフェノーメノを差し置いてダノンバラード?!とまぁ思うのも無理はない。
この当時のゴールドシップは馬券を外すことがそんなになかったが、実は馬券を外したレースの記憶が結構残っている。
2012年のダービーは初めて現地でダービーを見て、ディープブリランテを本命にしていた。
2013年のジャパンカップはドゥーナデンという外国馬を応援し、あわや馬券圏内もありそうな展開だったので声を飛ばすぐらい叫んだ記憶がある。
ゴールドシップは晩年ネタ馬的な扱いを受け、人気を吸って裏切るのが普通になった。
それでもファンは根強く、今日はどんな機嫌なんだろうかという感じだった。
マジメに走れば強い、ただ機嫌次第でいくらでも凡走する。
それがスタート大出遅れの宝塚記念以降はマジメに走る感じもしなかった。
2015年の有馬記念、この時がラストラン。
本命はゴールドアクターだった。
ゴールドアクターがウマ娘に実装されたら、たくさんのことが書けるくらい、有馬記念前に何度もお世話になった。
しかも、オッズが付くときだけ狙い撃ちしていたから、ゴールドアクターが勝った時、めちゃくちゃ叫んだ。
オグリキャップのようなラストランになるかと多くの人は思ったかもしれない。
自分も一瞬そう思ったが、もはやオグリキャップのラストランが奇跡である。
トウカイテイオーのような出来事はそうそう起きるものではない。
でも、見せ場を作るだけ責任は果たしたし、やることはやれたのだからよかった。
確かにゴールドシップはネタ馬だったかもしれない。
しかし、中央であれだけ勝つネタ馬は今後現れないだろう。
スキを見せる人が好かれるように、ゴールドシップはどこか人間味があった。
ゴールドシップが出るレースは全くつまらなくない。
勝っても負けても全然面白い。
これは名馬であればあるほど、実績があればあるほど非常に難しくなる。
それを成り立たせただけ、ゴールドシップという馬はすごい馬である。