中野雷太アナの記事が意外と読まれているが、おそらく競合相手がいないのだろう。
自分も他の方の意見を知ろうと思ったが、まとめサイトのものしか出てこなかった。
ヤフーのコメントはパワハラそのものに関するものばかりで、競馬実況アナウンサーに関する特殊な事情に触れるものは多くは見られない。
実況デビューが予想される藤原菜々花アナが順調に成長すれば、おそらく中野雷太アナのパワハラ疑惑なんか吹き飛んでくれる。
だから、一旦指導方針やスタンスの見直しをしてほしいというのが昨日書いた記事の本音の部分である。
競馬実況は自分自身も好きで、昔のレースの実況を何度も聞くことがある。
例えば、1997年の日本ダービー。
サニーブライアンが二冠を達成する際に実況の三宅正治アナから出てきた「これはもうフロックでもなんでもない!二冠達成!」は素晴らしい実況である。
最近は1970年代や80年代前半の競馬実況を動画で上げてる人を見かけ、それを聞くが、かっこいいことを言ってやろうぜ!という感じがない。
目で見て、出てきたものを言っている感じがするし、その方が自然で、記憶に残りやすい。
三宅正治アナといえばレッツゴーターキンが勝った天皇賞秋も実況が印象的だったが、この時、レッツゴーターキンとムービースターの馬券を買っていたようだ。
馬連で172.2倍もついていたのだから、そりゃ高揚感は相当だっただろう。
それが実況にいい具合に出たのだから、実況アナが馬券を買うのはアリという見方もできる。
ちなみに実況アナが実況するレースの馬券を買わないケースも多く、そこは人それぞれか。
ボートレースの実況も結構大変で、競馬実況よりもハプニングが多い分、なかなか務まるものではない。
元グラビアアイドルからレース場のレポーターを経て実況に転身した辻村ゆりなという人がいるのだが、あの江戸川でよくできるもんだと強く感心する。
ボートレースの実況は、審判長の隣で行う。
フライングの可能性があれば、スタート判定中となり、おそらく怒号が飛び交う中で実況を行うことになる。
他にも転覆艇が出る、振り込んだところに別の選手が突っ込むなど競馬以上にアクシデントが起きやすい。
ラジオNIKKEIのレースアナウンサー養成講座の受講生たちが様々な公営競技のアナウンサーになっていくが、辻村ゆりなはその道は通っていない。
その道を通らずに、公営競技の実況を行うのは相当大変である。
それこそパワハラめいたことがあっても何ら不思議ではないが、こうなると「師匠」との折り合いがつくかどうか。
辻村ゆりな自身はのほほんとした見た目と性格なので、この人が実況をするの?と思う人もいるだろう。
自らが作ったキャラクターの商標登録、その商標登録の費用をクラウドファンディングで集めるなど、根っこの部分はたくましい。
そうでなければ、務まらない仕事も多いように思う。
なぜ実況アナウンサーになったのか、この道のりはかなり人によって異なり、結構面白い。
ラジオNIKKEIで民放各局のアナウンサーが集まって、競馬実況について語った番組があったが、とても面白かった。
ああいう番組こそポッドキャストなどアーカイブで残すべきではないだろうか。