違和感の解剖図:勝負事とエンタメの不都合な真実

競馬、ボート、Mリーグからテレビ批評まで。世間に漂う「建前」を剥ぎ取り、その裏に潜む違和感の正体をロジカルに解剖する。単なる感想を超えた、不都合な真実の記録。


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鶴光の一件と「不快にさせて…」での謝罪に感じること


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aroaukun.hatenablog.com

笑福亭鶴光の一件、正確には、作家が内角をえぐって危険球になったという話である。

いわば作家の失態、凡ミスであり、作家のしくじりで笑福亭鶴光の名を汚したともいえる。

替え歌の歌詞は調べれば簡単に出てくるし、作家の名前もハッシュタグですぐに把握できる。

作家が、直接的かつ中学生のような下ネタをピンクレディーのメロディに乗せて歌ったというのが真実である。

この場合、「婉曲的に下ネタを表現しろ!もっこり音頭ならセーフなんだぞ!」とか、「欽ちゃんの最後の弟子なんだろ!欽ちゃんに言えるのか!」とか、そういうことを言うならわかる。

ところが、「世知辛い世の中だ」などの論評が掃いて捨てるほど出てくる。

確かにあの報道やリリースを見ればそう思うのは仕方ない。

1つ1つ見ていけば、「世知辛い世の中だ」とは思う気になれない。

本当に世知辛い世の中なのであれば、7月のニッポン放送のイベントでもっこり社中として笑福亭鶴光などを局がキャスティングしないだろう。

そして、危険球を投げてしまった作家自体は同じニッポン放送の番組でいまだにサブ作家をやっている。

ニッポン放送から出禁になり、ニッポン放送での仕事がすべてなくなるなら、確かに世知辛いと思う。

現状、そのような扱いになっていないということは、実はニッポン放送はそんなに怒っていないと捉えるのが妥当ではないか。

では、ニッポン放送がなぜああいうことを発信せざるを得なかったか。

先日の「コロンブス」の一件などはTwitterなどで、これはおかしい!という声が上がっていた。

基本的にSNSなどで異論が噴き上がり、抑え込むために謝罪することが多い。

仮に笑福亭鶴光の番組に関してSNSで異論が噴き上がれば、その時点で「世知辛い世の中だ」という議論になる。

そして、こんなことでしょうもない議論になってんの?と色んな意味で目立つ。

ところが、そのような動きは全くなかった。

ここ最近のニッポン放送は、政治的なネタなどどちらかといえば踏み込んだものも多い。

どういう思想であっても、多少踏み込むとそれなりに抗議が舞い込む。

おそらくニッポン放送の今のスタンスだと、根強い抗議などがあるのではないかと推察する。

歌詞を見る限り、それに匹敵する抗議があったとは思えない。

そりゃ「不快な放送だ!」というメールは届いていたかもしれない。

でも、今に始まったことではないし、数十年も下ネタまみれの放送を積み重ねて、笑福亭鶴光は何がアウトかどうかも分かっている。

どれだけ夕方の時間帯で番組をやっていたか。

自分の弟子と同じくらいの作家に、ド下ネタの替え歌をやらせる時点で、これくらいならば!というのがあったはずである。

リスナーだって、そんなことは百も承知。

とにかく不思議が詰まった一件である。

 

よく「不快な思いをさせて…」という謝罪があるが、何をもって不快と感じるかは人それぞれだと思う。

例えば、「あなたの笑い声は不快だ!」と他人の笑い声を糾弾することもできる。

「あなたの大きな声での挨拶が不快だ!」も言えるし、「あなたの正論ばかりを言うスタンスが不快だ!」とも言える。

不快を理由に謝罪するなんてことをすれば、毎秒何かで謝らないといけなくなる。

呪文のごとく「不快にさせて申し訳ございません」と言いながら寿命が尽きるのを待つのだろうか。

本当に「不快にさせて申し訳ございません」と思って謝罪する人は皆無だと思う。

何かしらの行動で誰かしらを不快にさせるわけだから、いちいち謝ってたら精神が持たない。

本来、「不快にさせて…」での謝罪は不誠実である。

でも、心から悪いと思って謝罪することは早々ないし、ほとんどのケースで「僕は何も悪くないもん!」という幼稚な態度が見え隠れする。

「不快にさせて…」での謝罪は、子供同士のケンカがあった際、自分の親から謝罪を強要され、ケンカ相手に満面の不愉快顔で「ごめんなさい…」と言う時の謝罪と変わらない。

だったら、「何が悪いんだバカ野郎」でいいように思う。

今回の件だったら、「笑福亭鶴光の番組ってのはこういうもんなんだよ!包茎だなんだで騒ぐな!それはお前が包茎だから不快に感じたのか?だったら切りに行ってこい!切らないやり方だと戻る可能性があるからな!」と言えばいい。

まぁこんな人がいたら、避けた方がいいだろうが。

とにかく、世知辛い世の中ですねという返しは最悪で、「不快にさせて…」の謝罪と変わらない。

その返しを芸人がしてしまう時点で、どうにもこうにも世知辛い。


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