先の兵庫県知事選において立花孝志は色々な意味で大暴れし、結果として斎藤元彦の当選に寄与したと言える。
関西出身の立花孝志だが、長らく関東を軸に動いており、千葉県の船橋市議会議員、東京都の葛飾区議会議員となり、2019年の参院選で1議席を獲得し参議院議員になった。
関西で大暴れするイメージが今までなかったので、兵庫県でも通用するんだということに驚いている。
今後関西を中心に大暴れをするのであれば、どんなことになるかは見てみたい。
自分は関東に住んでいるので、立花孝志が活動する様子は何回か見たことがある。
今回の動きも、いかにもやりそうだなぁぐらいにしか思っていない。
兵庫県知事選の結果を受けて、民主主義の終わりを叫ぶ人が少なくないが、それはあんたの不勉強が過ぎるだけの話だろとしか思わない。
立花孝志は2019年の参院選比例区で1議席を得たわけだから。
そして、その時も民主主義を嘆く人がいたので、人間は本当に忘れっぽい。
立花孝志が出馬した2016年東京都知事選での印象
立花孝志という存在は2010年代の前半に知った。
どこかの市の市議会議員選挙に出ており、インパクトを感じたのが最初である。
その後再び立花孝志を認識するのは2016年東京都知事選だった。
小池百合子や鳥越俊太郎、増田寛也の3候補ばかりがテレビに呼ばれ、立花孝志などは泡沫候補扱いとなった。
すると、立花孝志は他の候補者たちと一緒に報道への抗議を口にするようになる。
これが功を奏したのか、こうした抗議から間もなく公平な報道がなされるようになった。
最終的な結果は置いとくとしても、マスメディアの「面倒くせぇなぁ」という声が聞こえてきた展開に感じられた。
兵庫県知事選を巡る選挙中の報道もそんな印象を受けた。
ネットは放送法的なものはないので、自由に発信が行える。
これがネット選挙の象徴となるのかもしれないが、立花孝志の成り上がりぶりこそネット選挙の象徴のように自分は思える。
この時を前後し、立花孝志が支援する候補者が各地で当選し始め、自らも葛飾区議会議員となる。
立花孝志が一貫して攻め続けるターゲット層
NHKをぶっ壊すのフレーズで分かる通り、NHKの受信料にターゲットを絞った戦略が特徴だ。
特に都市部の若者などをターゲットにしてきたため、結果として首都圏などが活動の拠点となっていく。
「都市部の若者」が立花孝志が常に狙い続けてきた部分であり、兵庫県知事選でもそれがマッチしたと言える。
2022年の参院選でガーシーを当選させたが、普段投票に行かない人たちがガーシーと書いて当選のきっかけを作った。
これからの選挙は、いかに「都市部の若者に起きてもらって投票させるか」である。
若者は歴史的に見ても現状打破を求め続ける。
リベラルの考え方は、若者からすれば保守的に見える。
既得権益に甘えた老人たちが路頭に迷うような現状打開を求めていると考えるべきだろう。
闇バイトで容赦なく高齢者がターゲットとなり、躊躇がないのもそんなところではないだろうか。
立花孝志のNHKをぶっ壊すなんか、まさに現状打破の典型例だ。
財務省を「ザイム真理教」として敵視する動きが強まっているが、それも同じ。
一方で、少しでも既得権益に走ればその時点でゲームセット。
立花孝志のように、せっかく得た議会議員のポジションを簡単に捨てて挑戦していけばいいが、なかなかできることではない。
こうした姿勢にシンパシーを感じたのが堀江貴文であり、兵庫県知事選の供託金を出した武田塾の創業者である林尚弘といった人たち。
既得権益がある限り、立花孝志は活動し続けられるだろう。
兵庫県知事選は意外にも4年ぶりの立候補だったわけで、そのあたりの嗅覚が働いたか、日本保守党などの登場で埋没を恐れ、勝負に出たかわからないが、立花孝志も賭けに勝ったと言える。
立花孝志の今後の動きは?
立花孝志の今後だが、南あわじ市長選挙への出馬を想定しているようだ。
南あわじ市は過去2回無投票で、今の守本憲弘市長はいずれも無投票で当選している。
となると、守本市長は初の選挙戦で立花孝志と対峙することになる。
当事者からすればかなり大変だろう。
どこまで兵庫県で暴れまわるかにもよるが、来年は都議選も参議選もある。
特に参院選は比例区で議席を得る最大のチャンスの場。
ここに向けていかに仕上げていくかがポイントとなるだろう。
となると、来年の夏場まではフルスロットルで動き続けるはず。
問題は、この間、あまりにも暴れすぎたために、その反動をどこで食らうか。
賭けに勝ったと書いたが、あくまでも種銭を得るための賭けであり、本格的な勝利のためには何回か賭けに勝たないといけない。
立花孝志にとって2025年がターニングポイントになるような印象を受ける。
とんでもない時代になったとは思うが、ネット選挙が解禁されるというのはそういうことなのだ。