とんねるずの石橋貴明ですら、「上沢は日本ハムに戻んなきゃダメだよね」と発言するくらい、上沢直之の動向は注目されている。
自分の感想を言わせてもらうと、転売ヤーなどと同じで、ルールが整備されていない以上、どんな抜け道があっても使われたら仕方ないというのが持論である。
もちろん、ポスティングシステムで100万円にも満たない金しか球団にもたらさず、帰国後は日本ハムの施設を使うなどして明らかに日本ハムの関係者の振る舞いを見せていた。
それがソフトバンクに移籍となれば、ポスティングシステムを蔑ろにしたと言われても仕方ない。
うがった見方をすれば、無理筋のメジャー挑戦で、1年間しんどい思いをする代わりに、国内で超大型契約を勝ち取るための戦略で「メジャー挑戦」を言い出すこともできる。
ポスティングシステムでメジャー移籍をすることが選手のゴネ得のように思われる風潮が次第に出てきている。
それを助長しかねないわけで、上沢直之はちゃんと考えて、1日も早い決断をするべきだろう。
獲得調査の報道が出るだけで、色んな誹りがSNSに飛び交っている。
どんな道を辿るにしたって、心から応援をしてもらうには1日も早い決断が欠かせない。
上沢直之について回る言葉に、有原式FAがある。
元日本ハムの有原航平がポスティングシステムでメジャーへ行き、2年間で出戻り、ソフトバンクへと流れた。
これを有原式FAと呼び、この言葉が有原航平について回ることになった。
ちなみに有原は2024年シーズンで国内FA権を取得している。
本人も多少思うところがあったか、権利を取得した際のコメントで最初に名前を出したのが日ハム、当時監督を務めていた栗山英樹の名前だった。
本人が有原式FAに何を思うかはわからないが、それは引退した時に聞かれそうではある。
ただ有原の場合はポスティングで100万ドル以上を球団に残している。
ちなみにポスティングで移籍した選手が、復帰後に別球団へ行くケースは半分といったところ。
ポスティング移籍後に日本に復帰した第1号は石井一久だったが、古巣ヤクルトに戻ってきた。
中村紀洋はわずか2年で戻ってきた点は有原航平と同じだが、近鉄が既になく、オリックスに行ったのは系譜的にまだ許容範囲。
同じく2年で戻った山口俊は巨人から巨人へ。
他の選手は数年以上メジャーやマイナーで頑張っており、その間に心変わりをすることは合っても仕方ないと思う。
上沢直之に関して、日本ハムに戻りたい意思を示したら喜んで球団は受け入れるはずだ。
まして、エスコンフィーバーで潤沢な資金を確保できたから、ライデル・マルティネス的なことにならなきゃそこまでのマネーゲームにはならないはずである。
「僕がすぐに言い出さなかったばかりに…」とすぐに日ハム復帰を決めて、一定の謝罪をすれば、ホッと一安心程度で済むように思う。
あとは有原式FAの抜け道をふさぐため、ポスティング利用後最低3年は日本球界への復帰を認めないというルールを作るべきだろう。
色々触れる可能性はあるが、良心に委ねたところで、転売ヤーが減らないのと同じ。
抜け道をはっきりとふさぐ、これが今回の事態を防ぐ要素となる。
上沢直之がソフトバンクに移籍するかは微妙で、この報道で多くの野球ファンを敵に回しかねない。
ソフトバンクに怖いものがないのは、これまでの補強を見れば明らかである。
挑戦を続けるかどうか、古巣への恩義など、色々な思いは本人にあるようだ。
そんな中で、ソフトバンクに移籍しますと言ったら、どんなコラムを書くのか、その点は気になるところ。
恩義を大切にする人だと信じてみたいが、自分はお人よしだろうか。