最初に自分の考えを述べると、馬は馬主の所有物なので、扱いは馬主の自由だが、勝負の流れ的にコロコロ変えていいことあるのかなという疑問がある。
了徳寺健二という人は、とにかく転厩が多く、ある種有名と言える。
元々は学校の理事長だったが、退任時の賞与を巡るゴタゴタなど、色々争いが絶えない。
報道されている事案を含め、その顛末が定かではないだけにはっきりしたことは言わないが、だからそんなに馬を…とついつい思ってしまった。
今回、小手川準厩舎に預けていたテソーロの馬たちは全部転厩したという。
何かあったことは明白だが、厩舎の戦績を見る限り、まぁなんとも…といったところ。
その点、高木登厩舎は比較的安定した部類と言えるし、何よりウシュバテソーロでの絶大な信頼が大きいのだろう。
ドバイワールドカップを制するとは、自分も信じられなかったが、オーナーからすれば、神のような存在に思えるはず。
どういういざこざが小手川準厩舎とあったかは知らないが、転厩自体を悪手の一手と判断するのは乱暴ではないか。
ただ、転厩してどのように転んでいくかはわからないし、個人的には転厩大正解みたいなケースをさほど知らない。
定年で転厩するケースはもちろんあるが、いざこざで転厩してその後結果を出すパターンより、どんどん成績を落とすケースを多く知る。
ドリームパスポートという馬がそうだった。
大舞台での2着が多い馬で、あと一歩という感じだったが、皐月賞2着・ダービー3着・菊花賞2着、ディープインパクトを相手に健闘した点など、能力はそれなりに高かったと言える。
ところが、オーナーと厩舎の方針に食い違いが見られ、当時の松田博資厩舎から稲葉隆一厩舎へ転厩。
ピークが過ぎたというのはあるにせよ、転厩効果はなかったと言える。
あの当時もちょっとした騒動になった気がする。
稲葉隆一厩舎は当時マイネル軍団の馬が多くいた厩舎だった。
マイネル軍団のトップに君臨した岡田繁幸氏も、どちらかといえば、調教師サイドとバトルをするようなタイプ。
気に入った騎手をとことん乗せ続け、柴田大知の復活もマイネル軍団のおかげと言える。
トップが柴田大知、番手が丹内祐次という時代が長く続き、馬券を買う上でいいファクターになった。
ここ数年はトップが丹内になった。
テソーロ軍団の集団転厩は、個人的には仕方ないことだと思う。
それをとやかく言うことではない。
ただ、馬名への異様なこだわりを含め、人間側がちょっとしたこだわりを見せた時、競馬だとなぜか雲行きが怪しくなるようなイメージがある。
と言って、東京大賞典はテソーロワンツーだったらなんと間抜けな記事だろうかという話だが。
世界を目指す上でウィルソンテソーロを、高木登厩舎に転厩させたかっただけなら、1頭だけ移してもそんなには波風も立たなかったと思う。
ちなみに小手川準厩舎の開業時、了徳寺健二オーナーから花が送られている。
わずか数年で集団転厩に至るとは、いやはや。