オリックスの山岡泰輔を発端に、オンラインカジノの利用を巡る問題がプロ野球で騒ぎとなっている。
芋づる式になるのは誰しもが覚悟し、実際選手や監督コーチなどを対象にした調査では、2022年以降に手を出していた人は15人ほどいるらしい。
全員が選手なのか、それとも監督コーチが含まれているのかはわからない。
もとより、実名の公表をしない方針で進むそうで、その対応が批判を巻き起こしている。
むしろオリックスの行動が「出すぎたマネ」ぐらいの言われ方をされ、オリックス球団はもちろん、山岡泰輔にとっても同情を買うような展開になってきた。
そう近くない将来、誰かが週刊文春などに今回の件を暴露し、いつぞやのガーシー流に言えば「めくられる」だろう。
めくられればめくられるほど、オリックスや山岡泰輔にとってはプラスと言える。
先陣を切って社会的制裁を受けたのだから、当然だろう。
プロ野球全体でこうしたスキャンダルに発展する動きは、黒い霧事件や1997年に起きたプロ野球脱税事件が目立つ。
中でもプロ野球脱税事件での動きが、今回のオンラインカジノ利用者を巡る対応のベースとなるように感じる。
プロ野球脱税事件は、とある経営コンサルタントがプロ野球に入ったばかりの新人選手に対し、こうすれば納税額が下がるから!ぐらいのことを言って、税金の申告を引き受けたことが発端となっている。
発覚は1997年だが、実際にそうした行為が行われたのは1994年ごろ、そして、国税局がマークし始めたのは1996年ごろとされる。
経営コンサルタントに対して顧問料を受け取った形にして、「顧問料の支払いを行ったとされる領収書」を悪用して経費を増やした。
節税を謳っていたと記事に書かれており、選手もそんな認識だったのだろうと思う。
世の中にはいろんな節税があり、時に法ギリギリじゃね?みたいなものもあるが、このやり方はアウトである。
しかも、特定の経営コンサルタントを対象にそういうことが起き、しかも、相手プロ野球選手だらけ。
あれあれあれ?となり、国税局が動いた。
2月に経営コンサルタントの強制捜査が入り、3月には当時のダイエーが先手を打ち、経営コンサルタントに確定申告を依頼していた選手を公表した上で、修正申告を行っている。
ただ1997年のシーズンは始まってしまい、この間は表立った動きはなかった。
裏では着々と準備を進めており、日本シリーズが終わったタイミングで、1000万円以上の脱税をした選手を在宅起訴している。
先に1球団が先手を打って公表したのは、今回のオンカジ騒動におけるオリックスと同じである。
しかし、この時は修正申告というのもあってか、自粛の動きはない。
のちに最も重い処分を食らうことになる小久保裕紀は、1997年に全試合出場を果たしている。
在宅起訴をされた選手たちはオフシーズンに法廷に立たされ、短期間で判決まで出ている。
ざっくり言えば、1000万円台は懲役10カ月+執行猶予、2000万円台は懲役1年+執行猶予、1000万円未満は起訴されず。
加えてコミッショナーからの処分があり、起訴されなかった選手は3週間の出場停止+50万円の制裁金で、起訴された選手は4~8週間の出場停止+70~400万円の制裁金、このあたりは情状酌量なりなんなりで色をつけている印象。
処分された選手を見ると、2025年シーズンの首脳陣がチラホラいるし、今後首脳陣入りしてもおかしくない人も目立つ。
特に現在埼玉西武ライオンズでヘッドコーチを務める鳥越裕介は、裁判中、さほど罪を重く受け止めていなかったのか、その態度を裁判長に咎められ、裁判中に叱責されている。
ちなみに当時中日にいた鳥越裕介と山田洋に対する裁判の判決文がネット上で見ることができる。
プロ野球選手として多額の収入があり、脚光を浴びやすいのに、そんなことをしたら普通の人の納税意欲が失われるだろ!申告納税制度が租税制度の基本なのに!という内容。
反社会性が高い、利欲に入る、自己中心的動機など、厳しい言葉が色々と並ぶ。
今後オンカジの件が盛り上がりを見せるだろうが、こういう言葉を何度聞くことになるだろうか。
プロ野球脱税事件に関して、自らの本で釈明した小久保裕紀は別にして、当事者が雑誌のインタビューなどで答えているのを見かけない。
事件の当事者の多くは指導者となり、全体的に厳しい指導を行う人が目立つ。
事件をきっかけに改心し、精進したからこそではないだろうか。
だったら、俺はこうやって再起したという具合にインタビューに答えても不思議ではないが、誰も語ろうとしない。
きっとそれぞれに改心のきっかけはあったわけで。
オンラインカジノをやっていたのは選手もいれば、場合によっては監督コーチも含まれるかもしれない。
文春砲によって取り返しのつかない事態になるのであれば、先に言うべきだろう。
賭けマージャンでも略式起訴でとどまることが多く、仮に立件されても罰金で済む可能性が想定される。
だとすれば、前例を鑑みると4週前後の出場停止になるだろう。
出場停止明けに大活躍した人もいれば、そうでない人もいる。
脱税と違い、オンカジだと下手な動きをしてしまって、立件できずとなれば、その前例を踏まえた動きをされる可能性がある。
捜査当局が慎重に慎重を期するのは当然。
令和ロマンのくるまの俊敏な動きにより、過剰な活動自粛はどうなのかという意見が増え始めている。
どう転んでも何ら不思議ではない。
極めて慎重に動かなければならない場面において、NPBの他人事感は異様である。