違和感の解剖図:勝負事とエンタメの不都合な真実

競馬、ボート、Mリーグからテレビ批評まで。世間に漂う「建前」を剥ぎ取り、その裏に潜む違和感の正体をロジカルに解剖する。単なる感想を超えた、不都合な真実の記録。


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広陵高校が甲子園を辞退した件を考える


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次の試合は14日、雨などで順延があればSNSでの批判はさらに過熱する。

となると、昨日今日で辞退という判断に至るのは致し方なく、ここで引かないとえげつないことになると考えたのであれば、損切りとしては全うと言える。

ただ、辞退のタイミングは少なくともその前にあった。

7月中であれば準優勝だった崇徳高校が代わりに出ることもできたはずである。

なぜそのタイミングで辞退しなかったかといえば、広陵サイドが事の重大さをわかっていなかったか、「本当に高野連に連絡した暴力事案しか認識」していなかったか。

部員や保護者を集めての説明会が開催されたそうだが、そこでは保護者から質問が出なかったという。

その状況を「保護者の方が同意している様子がうかがえた」と校長は自己評価しているが、明らかに異様である。

異様という表現は両サイドの意味合いが含まれる。

暴力事案に対する説明を求めるとかそういう質問も当然あるべきというか、経緯を知りたがる人がいるのが普通だろう。

もう1つは、「だったら何で辞退したんだ!」という怒りがなぜ出てこないのかというもの。

ここ10年20年、強豪校を始め、多くの学生スポーツでさまざまな不祥事、暴力事案があり、報道されている。

保護者たちの反応を見ると、一部には体罰などを容認、というよりも、「それが当たり前でしょ」、「普通でしょ」という認識を持つ人がいる。

そうした人たちは今回の暴力事案を、「騒ぎすぎ」と思い、「辞退はやりすぎ」と感じているはずである。

強豪校にわざわざ子供を預ける親御さんが全員が全員、「辞退は当然だ!だったらもっと早く辞退すべきだ!」とは思っていないように思う。

むしろ「何で辞退したんだ!せっかくの息子の晴れ舞台を!」と思う人がゼロである方が異様というか変である。

傍観者を同罪と捉えるか無関係と捉えるかは議論の余地があるとしても、傍観者だった部員からしたら今回の件はとばっちりもいいところだろう。

その部員の保護者にとっては腹立たしいはずだ。

そのことすら言えないというのは、不思議である。

aroaukun.hatenablog.com

えげつない事態を招きかねないと書いたが、現状広陵の生徒が学校の登下校において暴言を浴びせられるほか追いかけられる被害があるとのこと。

挙句の果てには寮の爆破予告まで出ている。

既に「えげつない事態」を招いていると言ってもいいぐらいだ。

このまま辞退せずに突っ走れば取り返しのつかない事態になりかねない、だから辞退したというのは、学校の危機管理的には適切と言える。

ただし、7月の時点でインスタグラムのアカウントが出来上がり、投稿がなされていた。

たとえば、学校から野球部の監督や部長に対し、「本当に大丈夫ですよね?なんかあった時は責任を取ってもらいますよ?正直に言ってください」と念を押せる。

正直に言ってもらえたらそこで辞退の判断ができるし、事実と異なる説明をされて今回の事態となれば、何らかの処分を出せる。

学校とすれば、野球部の監督と監督の息子である部長が広陵を去り、別の強豪校へ移籍した場合、部員が一斉に転校する事態も想定するだろう。

学校側が野球部に対して強く指導できる立場だったかは微妙と言える。

組織に色んな問題がある時、後先を考えずに覚悟を決めて突っ込む傾向にある。

散るなら派手に散ろうとばかりに、破れかぶれに突っ込んで、致命的な状況を招くことがある。

もちろん功を奏して奇跡的な結果をもたらすこともあるが、決して多数ではない。

 

まずは第三者委員会の結論を待ち、報告書を読んで判断したい。

それまでに高校側がフルオープンで記者会見を行うのも手だろう。

風向きが変わるのはだいたいフルオープンの記者会見を行ってからである。

報告書から出てからもう1回記者会見を行えば、沈静化するはずである。

事態がどのように転ぶか、もはや誰にも予測がつかない。


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