AVはあくまでも演出されたフィクションに過ぎない。
ところが、男性の中にはその内容を「現実でも通用する」と信じてしまう人が非常に多い。
病院で入院したら看護師に対し、手でヌいてくれるんじゃないかとか、性行為ができるんじゃないかとか、マジで思い込む人もいるらしい。
歯医者に行って歯科衛生士がおっぱいを押し付けてきて、興奮して…みたいなこともそう。
自分は定期的に歯医者に行くし、はっきり言ってAVは大好きだが、ただの1度もそんなことを思ったことがない。
自分がおかしいのかなと思うくらい、男性の勘違いエピソードがやたらとある。
いつも不思議に感じる。
AVが「現実」に見えてしまう理由
AVが現実と混同されやすい理由は、色々あるのだろう。
例えば、映像表現がうまいからという意見がある。
DVDの出始めみたいな時のAVとか、女優のメイクを含め、色々粗さを感じたが、今では高画質カメラに編集技術の向上と、品質が高まっている。
結果として臨場感が増し、まるで目の前で起きていることのように錯覚してしまうという人もいるのだろう。
これが一番の理由だろうが、日本では性教育が十分に行き届いていないため、性に関する初めての知識をAVから得る人も多い。
そうなっちゃうと、自然と「これが性行為だ」と刷り込まれてしまう。
こうすれば気持ちよくなるんだとか、これが喜ばれるんだと思いがち。
そこから入って痛い目を見る男がどれだけいたかという話である。
また、人間の脳には「繰り返し見たものを真実だと感じやすい」習性があるという。
日常的にAVを視聴すればするほど、虚構の世界を現実と重ね合わせる傾向が強くなる。
演出や演技を事実として受け止め、現実でも同じように通用すると誤解する人が生まれるらしい。
水曜日のダウンタウンを見てマジに受け止めてしまう人があれだけいれば、納得する部分がある。
男性心理が勘違いを助長する
男性心理そのものも、AVを現実と勘違いさせる要因と指摘する声もある。
多くの男性は「性における自信」や「支配欲」を潜在的に抱いており、AVはその願望を刺激する形で作られていることが多い。
映像の中では、女優が積極的に喜ぶほか、快感を表現することも多い。
そのため「現実でも女性は同じように楽しむはずだ」と思い込んでしまう。
この手の話は何十年も前から女性が口にしていて、感じてもいないのに感じているフリをするなんてことは多々ある。
自分なんかは我に返りやすく、とにかく拙いので、優しさが逆にグサグサ刺さってしまう。
演技に勘違いできる男は幸せなのかもしれない。
加えて、男性脳は視覚情報に強く反応する特徴を持っているらしい。
文章や説明ではなく、直接映像から学んでしまう傾向があり、ゆえにAVを「教科書」としてみなすのだという。
さらに「自分の行為で女性を喜ばせたい」という承認欲求も重なる。
よくよく考えれば、そこに女性との共同作業という概念がないことがわかる。
結局いかに自分がエクスタシーを感じて発散できるか。
現実の女性とのギャップ
当然ながら、現実の女性はAVのように振る舞うわけがないし、男性もあんなに我慢強くない。
何十分も色んな体位で行為に及んでいるが、そもそも体力的にしんどい。
それこそしみけんぐらいに筋肉もあり、サプリやらなんやらを飲み、とにかくエロいことが大好きな絶倫でないと務まらない。
AVで描かれる反応の多くは演技であり、言ってしまえばお芝居である。
無理な体位や長時間の行為、過剰な反応は、撮影という特殊な環境だからこそ可能であって、日常茶飯事あんな感じでは嫌になる。
現実では、それをそのまま行えば女性にとって不快や苦痛を与えるのは当然。
さらに、強引な行為や一方的なプレイは、現実では「性トラブル」や「犯罪」に直結するリスクを伴う。
AVを見ていて作中に性行為同意書や性行為同意アプリは出てこないだろう。
出てきたらかなり画期的だし、ある種攻めている。
男性が「AVのように振る舞うことが普通」と勘違いしたまま接すると、女性の感情や身体を軽視する態度につながり、関係性を壊す要因にもなる。
昨今の性的なトラブルも、その延長線上だろう。
正しい性の知識を持つ重要性
AVを現実と混同しないために必要なのは、正しい性の知識を持つこと。
日本では相手の同意やコミュニケーションといった大切な要素が軽視されてきた。
その隙間を埋める形でAVが「性の教科書」となり、誤解が広がっているのが実情だろう。
現実の性行為において最も大切なのは「相手の同意」と「安心できる関係性」。
知識があれば、AVはあくまで大人の娯楽であり、現実とは切り離されたものだと理解できる。
さらに、パートナーと率直に話し合える関係を築けば、AVから得た誤解を修正しやすくなる。
そもそも看護師とか歯科衛生士とか、女性ならではの職業に対して男は夢を見すぎである。
まず医療従事者としての最大限の敬意を払えという話である。
敬意があれば、エロでおなじみの仕事みたいな目では見ない。
仮にAV女優が目の前にいても、恐れ多くてセクハラめいたことは言えない。
それは女優に対して、この人たちすげぇなと強く思っているからだ。
蔑んでいるからそういうことが言えるのだろう。
でも、これからの時代、そういう男性はどんどん増えるように思う。
AVは娯楽であり、現実の女性との関係性とは大きく異なる。
しかし、性教育の不足や男性心理の影響により、その境界を見失う人は多い。
正しい知識と相手への尊重を持つことで、AVは単なるフィクションとして楽しめる。
AVはファンタジー。
その意識を持ち、敬意を払えば、真に受けてリアルなコミュニケーションの場で失礼なことをやる事態は避けられるだろう。