生成AIを悪用した「アイコラ問題」が、いよいよ看過できない領域に突入している。
2024年から顕在化していたこの問題だが、年末年始にかけてX(旧Twitter)のAI「Grok」を使い、アイドルやコスプレイヤーの着衣画像に対して「マイクロビキニを着せろ」と命じる事案が続発した。一言で言えば、醜悪である。
過去には雑誌『BUBKA』がアイコラ画像を掲載して刑事告訴されたケースがあるが、現代のAI加工も本質は同じだ。不特定多数が見られる環境で、本人の意思に反して社会的評価を下げる画像を出力・投稿することは、名誉毀損罪に該当しても何ら不思議ではない。
そんな中、48グループの仕事に長年携わってきた漫画家・田辺洋一郎が、STU48工藤理子の写真を用いてAI加工指示を出していたことが発覚した。
工藤理子本人が不快感を示しても当初は削除せず、STU48・中村舞のストレートな苦言によってようやく事態が動いた。田辺洋一郎は長らくAKB48系の界隈で有名であり、松村香織のムチャぶりに応えるなどノリの良さで知られていたが、その「ノリ」が完全に一線を越えてしまったのだ。
一部のファンからは「これまでの功績」を理由に擁護する声もある。確かに氏の功績は認めるが、問題は批判された段階ですぐに謝罪・削除する姿勢を見せなかったことだ。この初動の遅れが、キャンセルカルチャーを加速させ、自らの立場を危うくしたと言える。
JKT48の運営は、こうした動きに対し法的手段を講じる姿勢を鮮明にしている。露出が高い衣装を着ることがあるグラドルや女流雀士であっても、それは本人のブランディングであり、「勝手に脱がされる」こととは話が違う。
「作画資料のため」という言い訳は本心なのかもしれない。とはいえ、本人との信頼関係を前提としたイラストならまだしも、AIで勝手に卑猥な姿に変貌させる行為は、なかなか容認されるものではない。
復活の場が与えられるとしても、それは「もう許してあげなよ」という空気が醸成されてからの話だ。今、この問題を「いいじゃん」で済ませれば、AIによる搾取は止まらず、取り返しのつかない被害が繰り返されることになるだろう。
誰しもが見る公の場で、自分の意に反する加工が行われる。その痛みに無自覚な表現者は、もはやプロとは呼べない。