違和感の解剖図:勝負事とエンタメの不都合な真実

競馬、ボート、Mリーグからテレビ批評まで。世間に漂う「建前」を剥ぎ取り、その裏に潜む違和感の正体をロジカルに解剖する。単なる感想を超えた、不都合な真実の記録。


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有馬記念「ライラック除外」騒動の構造:ヘデントール登録が炙り出した出走選定ルールの「矛盾」と改正の必要性


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衝撃:なぜライラックは有馬記念から弾き出されたのか

有馬記念のファン投票の結果が出て、2週前の登録馬も発表された。

今年はレガレイラやダノンデサイルなど中山が得意そうな馬が集まっているが、競馬界隈で今、大きな論争が起きている。それは、ファン投票10番目だったライラックの除外騒動である。

この背景には、年内休養だったはずのヘデントールが突如登録し、ライラックを11番目に押し出したという「不思議な入れ替え」の構造がある。


登録騒緯の経緯:木村哲也調教師の判断

ライラックはファン投票10番目で出走権を得られるはずだったが、ヘデントールが登録したことで除外が濃厚となった。

しかも、ヘデントールと、この騒動によって出走の恩恵を受けるかもしれないスティンガーグラスは、どちらも木村哲也厩舎の所属である。

ネット上では、「スティンガーグラスを出すために、あえてヘデントールを登録させてライラックを落とした」という説が瞬く間に広がり、ルール上問題ないにもかかわらず、ファンの感情を強く逆撫でする事態となっている。


ルール上問題なし vs 感情を逆撫でする行為

ルール上は全く問題ないのだが、この構造は転売ヤーの件や上沢直之の件でネット界隈が激怒したのと同じ。ルール上は何ら問題なくても、感情を強く逆撫でする行為である。

木村哲也調教師は2021年に所属騎手だった大塚海渡元騎手に暴行を働き、略式起訴されている。

法律上の前科は略式裁判から5年で消えるので、来年7月あたりには法律上の前科は消えるはずだ。

不思議なもので略式起訴を経てから厩舎の成績は急上昇する。

それまで大きなタイトルはステルヴィオで勝ったマイルチャンピオンシップだけだったのに、ジオグリフやイクイノックス、レガレイラ、チェルヴィニア、ヘデントール、コスタノヴァと一気に勝ち始めた。

これだけ勝つと、もう2021年の件は過ぎたことになり、今更その件を持ち出しても、世間「もう終わったことじゃん」と思ってくれる。

ところが、過去のことを世間がほぼ忘れたにもかかわらず、また例の件が掘り起こされる可能性が出てくる。
ここ数年の実績だけを見れば、「立派な厩舎であり立派な調教師」だ。なのにすべてを無にしかねない。


独断専行なのか…それとも

木村哲也調教師が誰にも言わず独断で行ったかといえば、にわかには信じがたい。社会人なら誰しもホウレンソウの重要性を理解している。報告・連絡・相談、それらを蔑ろにするのだろうか。仕事に厳しく、身内には厳しい態度をとるのかもしれないが、少なくともお客様に対してそのようなことをするようには見えない。

ヘデントールはキャロットの馬であり、登録料は当然ヘデントールの一口馬主が支払う。

登録料は6万円で400口なので、1口あたり150円と金額は微々たるもの。ただ一口馬主たちにとって本来支払う必要のないお金であり、しかも、「同じキャロットの出資馬でもない馬のため」となると、微々たる金額とはいえ気分は良くないはずだ。


それよりも出資馬の印象が落ちる可能性もある。ヘデントールに一切の罪がないので、不快に思う人がいてもおかしくない。それはライラックもスティンガーグラスも同じ。

本当にヘデントールを出走させる可能性もないとはいえないが、追い切りもしてなければトレセンにも入っていない。最近は外厩の性能も高まっているとはいえ、それは考えにくい。

これら一連のことを木村哲也調教師の独断でできるのかと考えると、非常に疑問である。昔ならわかるが、今の調教師がそれほど権力を持っているのだろうか。

12月17日追記:スティンガーグラスのオーナーであるエムズレーシングは公式Xで、エムズレーシング側から何らかの働きかけをしてヘデントールの登録を行うよう「指示」・「依頼」をした事実を否定した。

そして、登録自体は木村哲也調教師の判断で行われたことを明らかにしている。

また、この件でエムズレーシング側に対して事実無根の誹謗中傷が生じていることも明らかにした。


「ルールは問題ない」が問題を生む構造の解消

ルール上何ら問題はないけれど…というケースは過去にもあった。交流重賞に頻繁に出ていたノボトゥルーである。

当時は昔に賞金さえ稼いでいれば出走枠を確保できたため、ノボトゥルーはほぼ自由に出走できた。一方で最近強くなってきた馬は賞金が足りず、交流重賞に出たくても出られない状況になる。これもルール上は何ら問題はなかったが、段々と疑問の声があがりはじめた。

現在は近走の成績が反映されやすい方式に変更され、若手の馬たちも参加しやすくなった。結果的に、中央にいると交流重賞に出にくくなるからと地方競馬へ移籍するケースが増え始める。

どちらも理にかなった行動であり、ディクテオンのように地方馬として海外で勝つケースも出てくる。

今回の有馬記念のケースも、ファンの反感を買わないような改正が必要だと感じる。


推薦枠の復活という選択肢

以前のような推薦制度を復活させる手もあるのではないか。

推薦委員会に推された馬を出すという、ある意味ブラックボックスになりそうなやり方だが、そうなればライラックは拾われる可能性が浮上する。

1991年有馬記念を制したダイユウサクも推薦委員会からの推薦を受けて出走した。フルゲート割れなんだから簡単に出られるだろうと思いきや、有馬記念の格を理由に推薦に反対する声もあったという。

オープン特別を勝って中1週、しかも長い距離で結果を出せていない馬だから、その気持ちはわかる。フルゲート割れならまぁ出してやるかと最後はなったかもしれないが、結果的には大正解であった。

仮に推薦委員会があり、推薦馬6頭を選ぶとする。自分の独断と偏見でしかないが、勢い重視ならミステリーウェイ・サンライズアース・マイネルエンペラー・スティンガーグラス・エキサイトバイオ・ライラックとなるだろう。

推薦のデメリットは主観が入りやすく、時に納得のいかない結果が出ることもある。どちらにもメリット・デメリットはあるが、推薦枠の復活はあっていいのではないか

もしくはレーティングで決めてしまうのもあるだろう。バグが見つかったら直す、それがあるべき姿である。

あとその方式だとエキサイトバイオが入れるので、エキサイトバイオ本命にできるのだが。

12月17日追記:スティンガーグラスのオーナーであるエムズレーシングは、スティンガーグラスの有馬記念出馬投票を見送ることを発表した。

「現時点の管理体制での出走は難しい」という判断によるものだ。

12月17日後記

エムズレーシングの公式Xが本物だと信じて追記などを行った。

なぜ調教師が独断でこのようなことを行ったのか、本人の弁明を待つほかない。

あと、こういった出馬投票はオーナーの意向を聞かず、事後報告という形で行われるものなのかも気になる。

今回のことで有馬記念がドッチラケになるような展開だけは避けなければならない。

ファン投票のルールなど、今回浮き彫りになったレギュレーションのバグのようなものの改善を願いたい。


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