違和感の解剖図:勝負事とエンタメの不都合な真実

競馬、ボート、Mリーグからテレビ批評まで。世間に漂う「建前」を剥ぎ取り、その裏に潜む違和感の正体をロジカルに解剖する。単なる感想を超えた、不都合な真実の記録。


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新監督の「厳しさ」はただのポーズか。ドラフト下位指名に眠る「逆転の兵法」とフロントの真の責任


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成績が低迷するチームの後任監督は得てして、「甘えをなくして厳しく…」などと発言する。

しかし、成績が回復する要因はそれだけだと不十分にも程がある。結局のところ、ドラフトが成功するか、フロントがビジョンを持っているか、そして現場に過度な口出しをしないかにかかっているのだ。

横浜を例に取ると、DeNAになるまで10年近くドラフトで下手を打ち続けた。その代償はあまりに大きい。今の中心選手である宮﨑敏郎も、年齢的にはTBS時代からいてもよさそうだが、実際はDeNA時代に入団した社会人上がりである。

ドラフトを10年も失敗し続ければ、長期低迷に追い込まれるのは必然だ。1年程度の失敗ならまだしも、それが2年3年と積み重なれば、チームの血の巡りは完全に止まる。

一方で、強くなるチームには共通の方程式がある。「下位指名で掘り出し物を引き当てる」ことだ。

再び横浜を例に出せば、2016年の最下位指名が佐野恵太であり、2017年の最下位指名が山本祐大である。この「最下位から這い上がったスター」が今のチームを支えている事実に注目すべきだ。

巨人の戸郷翔征も、2018年ドラフトにおいてチームの最下位指名。阪神の石井大智も、2020年の最下位指名だ。1位を確実に仕留めるのは当然として、下位からスターを発掘できるかどうかが、チームの「厚み」を決定づける。

「厳しさ」を説く前に、まずドラフトを成功させないと話にならない。練習を厳しくして成果が出るのは、戦うための駒が揃ってからの話である。

ファンは監督に練習の厳しさを求めるよりも、「下位指名で未来のスターを指名してみろ」とフロントを煽るべきだろう。

上位指名でスーパースターを当てても、ポスティングで早々に奪われるリスクがある。しかし下位指名の選手は、自分を拾ってくれた球団への恩義を感じ、長く残ってくれる傾向がある。ロッテ・サブローの会見を見ても、そんな印象を強く抱いた。

サブローの人柄や指導力、そして今のロッテの役者が揃い始めている現状を鑑みれば、1年で上位に食い込む可能性は大いにある。

だが、すべてはドラフトであり、フロントのビジョン次第だ。最下位指名の中にこれほどの宝が眠っていた事実に、我々はもっと驚愕すべきである。

裏を返せば、ほんの少しのスカウティングのミスで、日本の宝が失われていくかもしれないということだ。上位指名に一喜一憂するだけでなく、下位指名にこそファンの鋭い眼差しが必要なのである。


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