違和感の解剖図:勝負事とエンタメの不都合な真実

競馬、ボート、Mリーグからテレビ批評まで。世間に漂う「建前」を剥ぎ取り、その裏に潜む違和感の正体をロジカルに解剖する。単なる感想を超えた、不都合な真実の記録。


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ガーシー議員懲罰動議の歴史的意義:国会「陳謝」拒否は除名の前例となるか


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国会議員が参議院や衆議院の秩序を乱した場合に、懲罰動議が出され、懲罰が下される。

この場合の「秩序を乱す」というのは、正当な理由なしに欠席をする場合などが該当する。

懲罰は、「公開議場における戒告」、「公開議場における陳謝」、「登院停止」、「除名」である。

欠席による懲罰の歴史的特異性

今回ガーシー議員には「陳謝」が有力とされているが、懲罰委員会が用意した文章を議場で読み上げることで陳謝とみなされる。

そもそもここまで一日も登院していないのだから、「登院停止」に一切の意味がないのは明らかだ。

一発で除名にすると、それが前例となるので、そこは慎重になる。

陳謝を行えばそれでよし、陳謝をしなければ除名、そんな流れになるのだろう。

こうした懲罰は1950年代に大量にあったが、1960年代や70年代は一回もしくは二回、1980年代は一回もない。

陳謝を拒否して除名になるケースもあったが、過去の前例を見ると、懲罰動議で陳謝の処分が出ながら、それを拒否し、再び陳謝の処分が出たケースもある。

とはいえ、「懲罰全盛期」の出来事なので、半世紀以上の時を経て、陳謝から除名への流れができるか、個人的には興味がある。

小川友三という議員が1950年に除名されたのだが、Wikipediaを見ると、議員バッジをなくしたとウソの紛失届を出して、議員バッジを手に入れていき、この議員バッジを周囲の人たちにつけさせていたなんてことがあったらしい。

参議院の全国区で下位当選し、党を立ち上げて色んな選挙に候補を送り込むという手法は、令和の時代でも既視感のあるやり方と言える。

除名の原因は予算案審議において、賛否を明らかにしないまま討論を終え、賛否を迫られた挙句、反対と表明した直後に賛成票を投じるという、意味不明な行動がきっかけとなった。

ちなみに任期満了一カ月前の出来事であった。

もし今同じことを誰かがやったら、除名の声ばかりになるのではないだろうか。

国会に全く来ないことを理由に懲罰になることは、Wikipediaの一覧を見る限りでは今回が初となる。

「オンライン出席」とガーシー議員の矛盾

そもそも海外に居ながらにして議員になれることを、誰も想定していなかったし、法整備として進められてこなかった。

リモートでの国会の参加は、憲法が関わってくるようだ。

NHK政治マガジンの報告書によると、憲法56条1項の「出席」について、「原則的には物理的な出席と解釈すべきだが、いわゆる緊急事態が発生した場合等に、どうしても本会議の開催が必要と認められる時は、例外的に、『オンラインによる出席』も含まれると解釈することができる」という意見が大勢を占めたとされる。

オンラインでの出席が認められる場合として意見が分かれ、コロナ禍などの感染症の問題や自然災害の問題など、また出産や病気といった場面でオンラインでの出席を認めるべきという声もあったようだ。

ガーシー議員がオンラインでの出席を行う場合、海外にいる真っ当な理由がないといけない。

ちなみにこの報告書はガーシー議員が誕生する前のものだ。

どの場面でオンラインでの出席を認めるかという議論はかなり揉めそうだ。

ネットでも投票させてくれ、ネットで参加させてくれ、どちらも実現すれば便利そうではあるが。

懲罰の動機と「居眠り」という皮肉

個人的にはガーシー議員は一度参議院議員として国会に足を踏み入れてほしいと思っている。

別に公約で、俺は議会に行かずして議員活動をしてみせるなんて約束していない。

「国会に行くなんて幻滅しました」なんて声はおそらく支持者からでは出てこないだろう。

例えば、実際に行き、居眠りしている議員の実名を公表していくなんてことをしてもいいのかもしれない。

いくらでもやりようがある。

そう思うと登院を促す陳謝という懲罰は妥当ではないだろうか。

なぜ頑なに海外から帰ってこようとしないか、日本に戻ると危害を加えられるかもしれないという不安があるとされる。

最近では警察に逮捕されるのではないか、芸能関係者たちにやられてしまうのではないかなど、色々あるのはよくわかる。

日本に戻りたくても戻れないのか、もう二度と戻る気はないと腹を括っているのかでだいぶ違う。

もし前者であれば、リスクはかなりあるが一日でも早く戻るべきである。

後者であれば、次の一手を考えて新しいことに挑むべきだろうと思う。

そのどちらを選んだとしても、自分としてはそこまで違和感はない。

様々な媒体を見る限り、ガーシー議員の人当たりはいいし、気遣いが相当できる人だろう。

国会議員でやりたいこと、何が何でも利用したいことがないのであれば、「こんなところ辞めたるわ」でいい。

もし利用したいことがあるのであれば、一日でも早く議場での陳謝のために日本に戻るべきだろう。

議場で居眠りしてたって、お咎めはないし、歳費はもらい放題なのだから。


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