今期のMリーグで一番のサプライズはEX風林火山・永井孝典の活躍である。
オーディションでは完全なノーマーク、最低人気レベルの大穴だった中、劇的な勝ち方でMリーガーの仲間入りを果たした。
一方で、相変わらず下馬評は低く、「いい人なのは間違いないが…」ぐらいの評判しか聞こえない。
いわばフロック視されていたわけだが、デビュー戦を白星で飾り、その後もポイントを重ね、現在はチームの勝ち頭である。
大きなマイナスさえなければ…と不安視された中、その真逆の結果をもたらしている時点で、永井孝典の評価は180度変わったといっても過言ではない。
コメント欄を見ても、運だけの声はほぼ聞かれず、強いという声が目立つ。
勝っている時だからこそというのはあるが、2着や3着に敗れている時も果敢に攻めていく姿勢は高く評価されている。
その一方、EX風林火山は永井孝典を決して手放しでは褒めず、むしろ調子に乗らせないように、手綱を引き続けている。
勝又健志が口酸っぱく言う、「結果より内容」の方針に沿った指導と言える。
多少危険でも押していくところはサラッと触れ、咎められるところはできる限り咎めていくスタイルが楽屋裏の映像でも垣間見える。
赤坂ドリブンズの浅見真紀に対しても他のメンバーはそんな感じだが、要するに信頼はしていないことの裏返しである。
2人とも劇的な展開を生み出すことが多々あるものの、麻雀が上手い人からすると、どこか物足りない部分があるのだろう。
それ自体は当然の反応だと思うのだが、Mリーグは自団体のリーグ戦で勝っている人がそのまま勝てるフィールドではない。
なぜかMリーグだけ強い人がわんさか出てきて、いかにその人を利用できるかの勝負である。
パチンコパチプロ実践における、なぜかこの番組だけ勝てる、なぜかここだけ勝てないという相性に似ている。
777リーグを見ていて、結局カギを握るのは運で勝負せざるを得ないパチンコ。
どれだけパチスロがうまく、色んな伝説を残してきた人であっても、パチンコで勝負できないと話にならない。
Mリーグも、「なぜかMリーグだけは絶好調という人をいかに確保できるか」がポイントである。
こうした人の特徴は、「お世辞にも強いとは言えないが、破れかぶれで言ったれ!」という人。
「自団体ではなかなか結果を出せないけど、何らかの理由でMリーグに呼ばれ、Mリーグで覚醒した人」を最低1人は確保しないと厳しい。
その典型例がKADOKAWAサクラナイツである。
岡田紗佳は一応女流プロ麻雀日本シリーズで2回優勝しているが、連盟のタイトルは1つも獲れておらず、テレビカメラの前だけやたらと強い人。
まさにMリーグにうってつけの人である。
実力で4人ズラリと並べてもアースジェッツはあまりにも厳しい展開を強いられている。
このまま1000ポイント負けていく展開はあり得ないと自分でも思うが、5連勝を決められるような人がいるかどうか。
岡田紗佳が200以上稼ぎ、後の3人で200稼いでポストシーズンに流れ込めば、チャンスがあるチームと言える。
そういう人がチームに1人はいないとダメだ。
KONAMI麻雀格闘俱楽部は絶好調に転じたが、滝沢和典の連勝や高宮まりの健闘が大きく、今年はスロースターターの伊達朱里紗がすぐに復調し、上位につけている。
麻雀は常に勝てるものではなく、どれだけうまくても負けが込む時はある。
そんな時に、Mリーグだけは強い人が勢いをつけることは大切なのだ。
BEASTXが持ち堪えているのも中田花奈が簡単にラスを引かなくなったからである。
ただその役割を鈴木大介が担っている現状はちょっともったいない。
要するに何が言いたいかといえば、序列4番手の人がバンバン結果を出しているうちは、四の五の言わずにその流れに乗っかることである。
その点ではEX風林火山における、永井孝典に対する対応は、わからんではないが、もう少し後でいいのではないかと思う。
永井孝典もどこかで結果を出せなくなる時が来る。
その時でも遅くはないように思う。
これが生成AIなら、1秒でも早く修正してよりよいものを生み出してもらうという発想は一切間違っていない。
相手は人間であり、ちょっとしたアドバイスで改善が出来たら苦労はない。
勢いを削いでいる部分があり、勢いに乗れるときは乗るのが、自然の流れではないだろうか。
何か自然の流れに抗うフシがあり、いまいち突き抜けないところだと感じる。
KADOKAWAサクラナイツと同じく、レギュラーシーズンは調子に乗らせてどんどん勝ちまくってもらい、ポストシーズンはギチギチに立ち回れる人に立ち回ってもらう方が期待値は高い。
明確に序列4番目とわかる人がいるチームにおいて、その4番目が大活躍するのがレギュラーシーズン突破の条件。
渋谷ABEMASみたいに序列がほぼ並びだと、序列4番目=調子が悪い人になりやすく、他3人でカバーしないといけない。
永井孝典へのダメ出しは長い目で見ればもちろんプラスだが、それが結びつくのは何年も先。
流れが止まった時に他3人で果たして挽回できるのか。
そのイメージがつかないだけに、現状は調子に乗らせるだけ乗らせた方がチームにとってはプラスに見えるのだが。
永井孝典がダメ出しをしっかりと受け止め、謙虚な姿勢を崩さないからこそ、言いやすい面もあるのだろう。
いつまでも同じメンツばかりでは味気ないので、Mリーグドリームを成し遂げてもらいたい。