違和感の解剖図:勝負事とエンタメの不都合な真実

競馬、ボート、Mリーグからテレビ批評まで。世間に漂う「建前」を剥ぎ取り、その裏に潜む違和感の正体をロジカルに解剖する。単なる感想を超えた、不都合な真実の記録。


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西武レジェンドは横浜DeNAの「二軍改革」の駒になるか? ルール内でファンを敵に回す「極悪人戦略」の可能性


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1. 西武の「史上最大の賭け」:ポスティング候補との綱引き

横浜の桑原将志がFAで埼玉西武ライオンズに移籍することになり、それなりに時間が経った。しかし、正式に契約が結ばれたという情報は入ってこない。

これは埼玉西武ライオンズの髙橋光成と今井達也の2人がポスティングシステムでの移籍を目指している最中というのが要因とされる。

桑原将志はBランクで人的補償の対象となるため、契約した時点で名簿を出す必要がある。28人をプロテクトでき、残りの選手から選ぶことになるが、これが案外難しい。

大きなポイントとなるのが、ポスティング移籍を目指す2人の選手と、複数いるベテラン選手をプロテクトするかどうかである。


2. 数十億を失う危機:今井・髙橋のプロテクト問題

髙橋光成と今井達也を仮にプロテクトせず、横浜が獲得した場合、想定されるのは譲渡金の横取りである。

特に今井達也の場合、総額2億ドル前後の契約が予想されており、50億円近い譲渡金が発生するとされる。今井達也をプロテクトし、有望な若手を仮に失ったとしても、断然得である。

一方、髙橋光成の場合は譲渡金自体は微妙だが、マイナー契約しかできないなら日本に残るという方向性の様子だ。仮にプロテクトせず、マイナー契約しか結べなかった場合、髙橋光成は日本に残る可能性が出てくる。となると、人的補償として横浜へ移籍することになる。

人的補償での移籍拒否は引退状態に追い込まれるため、拒否はあり得ない。万が一プロテクトされず、横浜に指名された場合、髙橋光成はマイナー契約を呑まざるを得なくなるだろう。

球団の総利益が多いところで数十億円なので、プロテクトの1枠をケチって失うのは経営責任を問われる事態となる。


3. 横浜の倫理的ジレンマ:「極悪人」か「戦略」か

一方で横浜のリスクは、12球団のファンのみならず、日本国民の多くを敵に回しかねないことだ。ルールはルールだし、一切問題はないが、昨今のヘデントールの件、転売ヤーの件、上沢直之の件と同じく、感情を著しく逆撫でする行為である。

完全な合法なのに超極悪人の所業、稀代のワルのような扱いになってしまう。

個人的には、親会社のDeNAがそれをよしとせず、プロテクトされてなくても選ばないのではないかと思う。

牧秀悟が将来的なメジャー挑戦を目指していて、仮にポスティング移籍を目指して動き出し、球団が有望な選手をFAで獲得したら、同じことをやられる可能性が出てくる。しかも、それをやられるとフロントへの批判は凄まじいことになり、場合によっては責任を取らされる可能性まであるだろう。

西武としては、横浜の良心を信じるか、確実に守りに行くかのいずれかとなる。


4. 契約期限の重圧:1月3日・5日がターニングポイント

現状は2人の契約待ちだが、今年は村上宗隆ですら契約が難航し、移籍市場の動きがかなり鈍い。

交渉期限は、今井達也が日本時間で来年1月3日午前7時、髙橋光成は来年1月5日午前7時まで。西武がそこまで引っ張ってから桑原将志と契約してもおかしくない。

一応12月後半での契約見込となってはいるが、髙橋光成と今井達也の契約が決まっていなかったら、球団史上に残る大きな賭けに出ないといけなくなる。

みすみす数十億を失うのか、選手にマイナー契約を強いらせるのか、はたまた横浜への移籍となるか、もしくは有望な若手を失うのか。

個人的には髙橋光成と今井達也はプロテクトされると思う。万が一人的補償で選ばれたら、凄惨な状況になるかもしれない。


5. 功労者の処遇:ベテランレジェンドを外すべきか

もう1つ西武にとって難しいのがベテランの扱いである。炭谷銀二朗や中村剛也、栗山巧など守るべき西武のレジェンドが何人もいる。

栗山巧の場合、人材流出が続く時期にFA宣言をしてまで球団に残った。いくら来シーズンで現役を引退するとはいえ、プロテクトを外し、挙句、人的補償での移籍となったら、こちらも大変な状況となる。

ただどれだけ功労者であっても、名簿から外されてしまう傾向にある。工藤公康や内海哲也、長野久久義…いずれも巨人だが、大物が移籍を余儀なくされた。ベテランはプロテクトされない可能性が十分にある。


6. DeNAの「二軍改革」にベテランの経験は必要か

横浜にとってもバリバリの戦力になるかは微妙な選手を獲得するメリットはないようにみえる。

しかし、横浜にとって二軍でも腐らずに練習を重ねた西武のベテランたちは貴重な存在である。今シーズンのオフ、盛んに二軍の若手への苦言が一軍の選手たちから呈されている。引退した森唯斗もソフトバンクとの意識の差などを指摘している。

二軍を強化し、草の根から意識改革を図るには、炭谷銀二朗や中村剛也、栗山巧といったベテランは貴重なのではないだろうか。

西武を長年見続けるファンからすれば、「何言ってんのお前」と一笑に付されることを書いているかもしれないが。

今回プロテクトを巡り、西武ファンでも見解が分かれており、そもそもベテランをプロテクトするかどうかも意見が食い違いそうではある。

横浜からすれば、ベテランやポスティング組がプロテクトされていなければ、獲得に動いても不思議ではないし、ファンである自分としては強く支持する。

ビジター席を移動させてまで360度からの応援を実現させたクライマックスシリーズの時は、かなりの批判を食らった。その経験がある以上、多少批判は強まるかもしれないが、覚悟をもって決断したのであれば支持するほかない。

中途半端に金銭補償を目指す必要もないし、無理に伸びシロを信じて若手を獲得しなくてもいい。横浜はまだまだ常勝球団を目指す上で足らないことが多い。

他球団で活躍した選手たちを少しずつ入れて、現状を良くする動きはあってもいい。若手に舵を切って改革の途上にある西武から、ビッグネームが出てくると信じたい。


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