サンライズジパングなど新谷功一厩舎にいたサンライズ軍団がすべて前川恭子厩舎に転厩した。
新谷功一厩舎は、中央の重賞こそ1勝しかしていないが、地方遠征や海外遠征に積極的な厩舎の一つである。
例えば、グランブリッジはセリでの取引価格341万円の馬だが、地方だけでその100倍を稼いでみせた。
クラウンプライドも、チャンピオンズカップ以外は基本的に地方と海外に参戦し、コリアカップ連覇を始め実績を残している。
リメイクやカズタンジャー、ミリアッドラヴもそうだが、交流重賞の実績はかなり豊富といっていい。
一方、サンライズジパングは元々音無秀孝厩舎にいた馬で、定年解散によって新谷功一厩舎へ転厩した。
厩舎の実績を鑑みるとこの時の転厩の判断は妥当だったと思える。
ただ春先こそ地方交流で勝てたが、秋になるとピリッとしない結果となった。
前走の結果をもって転厩を決断した可能性も否定はしないが、こういう決断はもっと前から検討を始めるのが普通である。
他の転厩馬はいずれも今年春デビューの3歳馬で新馬戦には間に合っていない。
一応勝ち上がってはいるものの、そのあたりも不満だったのかもしれない。
「人の繋がり」がもたらした集団転厩
一方の前川恭子厩舎は開業1年目だが、現状どのような強みがあるのかまだ見えてきていない。
ただ前川恭子厩舎を選んだ理由は明快で、過去にも音無秀孝厩舎からサンライズアレスを受け入れ、高知競馬の交流戦で初勝利を果たしている。
音無秀孝厩舎からは人の移籍もあり、サンライズジパングの担当をしていた人も含まれており、それが今回の集団転厩につながったとされる。
「サンライズジパングはこんなものではない」という思いが、要因の一つと思われる。
ただそれがプラスに働くかは別問題であり、極めて微妙である。
テソーロ軍団の事例が示す皮肉な結果
過去の事例として、小手川準厩舎にいたテソーロ7頭が高木登厩舎などに移籍した件がある。
ウィルソンテソーロはマイルチャンピオンシップ南部杯こそ勝ったが、転厩効果はあったかといえば戦績的には微妙だ。
他の馬も劇的に伸ばしたかといえばそう言い切れない。
事実、了徳寺健二ホールディングスの年間成績は11月2日時点で9勝と明らかに成績を落とし、勝率や連対率なども2018年以降でワーストと、馬主としての流れは悪い。
面白いのが、集団転厩をされた側の小手川準厩舎は今年8勝とここ数年で見ると状態は上向きな点である。
集団転厩をされた側の成績が上がり、した側が調子を落とす、そういうケースもあるのだ。
新谷功一厩舎は隔年で好不調の波が訪れ、今年は不調の年だ。
ミリアッドラヴが非業の死を遂げるなど、厩舎的に辛いことが続いたものの、今回の集団転厩が底を打つきっかけとなるかもしれない。
集団転厩は馬主の自由であり、とやかく言うつもりは一切ない。
ただ、本当に馬のことを考えた決断なのか、それとも馬を度外視にした感情のもつれによる決断なのか、それによる結果の違いは大きいだろう。