なぜ玉川徹はあれだけの有名人になったのかと、ここ数年で玉川徹を知った人からすればそう思うかもしれない。
個人的に玉川徹の存在を知ったのは、スーパーモーニングというワイドショーの時である。
15年ぐらい前は税金のムダ的な話題が食いつきがよかったのと、毎週ネタに事欠かないくらい税金のムダが多かったこともあり、興味深い話が多々あった。
毎週コーナーがあったが、その当時は今みたいな人気はなかったように思う。
今も税金のムダ的な話題は尽きないが、わかりやすいハコモノから税金のムダを生みやすい構造へと変質し、視聴者もわかりにくくなってきている部分はある。
また政治家を狙い撃ちし過ぎたからか、次第に政治家をピックアップできなくなっていったように感じられる。
その頃にはコメンテーターとなったが、人気はネットやYouTube、あとは逆張り的なスタンスも大きかったと思う。
玉川徹はワイドショーが嫌いで、ワイドショーだけはやりたくないと思いながらも泣く泣くワイドショーに配属されたそうだ。
松田優作が亡くなった際、斎場での取材を入社間もない新入社員が拒否したというのは、玉川徹らしい話といえば話だが、令和の時代ならばその感覚は理解されやすい。
ただでさえマスゴミと言われ、衝撃映像をTwitterに載せればどこぞの報道局、社会部が取材を求めてくるケースもザラ。
YouTubeには噴火の取材に大勢駆けつけるマスコミの様子が見られる動画が色々とあるが、そのコメントの多くは嫌悪感に満ちたものだ。
人が悲しんでいる時に平気で取材をするってどういうことなの?という感覚は年々強まっている。
それを30年以上前に実行していた玉川徹は感覚的には優れていたのだろう。
そもそもワイドショーにおいて、税金のムダをこれほど取り上げてきた人もそうそういない。
つい10数年前までのワイドショーは、今だと広末涼子とキャンドルジュンの話題的なもので持ち切りになる。
もしくはおばちゃん同士の井戸端会議的な話題。
政治ネタや税金のムダなどを長年取り上げ続ける、しかも、裏にとくダネ、スッキリなど視聴率的に強い番組がひしめいた中でやっていたのだから。
羽鳥慎一モーニングショーはライバルに大差をつけて視聴率トップというのもその積み重ねだろう。
そんな玉川徹も有名になりすぎ、スタンスが異なる人たちなどに批判を受けやすい存在となった。
また事実誤認なども目立ち始め、謹慎に追い込まれる事態も起きた。
確かに事実誤認などで間違った発言を行い、謹慎になるのは全く褒められたことではない。
しかし、過去には数多くの事実誤認発言をしながらも、アナウンサーに謝らせて本人は一切謝らないというムーブを決めるみのもんたという人もいる。
それを思えば、謹慎から復帰、定年退職までの動きは徳俵に乗っかかりつつも持ち堪えていたなと感じた。
何より玉川徹が出なかった時と出た時の視聴率の差が激しいという、視聴率のパワーを軽視できなかった部分もあるのだろう。
玉川徹は羽鳥慎一の事務所に入るのではないかと言われていたが、現状はフリーランス、元社員としてテレ朝の番組に出続けるという。
突如としてしゃべくり007に出てくるとか、行列のできる相談所に登場するとか、急にぽかぽかに出てくるとか、そういうことはなさそうだ。
ジャーナリストの肩書きで、そのような番組に出たところでできることは限られている。
個人的に思うことだが、やはり人気先行、持ち上げすぎな感じが否めない。
玉川徹に反感を抱いているわけではないが、テレ朝のバラエティ番組にバンバン出す必要性はあるのだろうか。
玉川徹には以前のように決められた曜日でコーナーを担当するようなポジションの方がいいように思う。
毎日コメンテーターとして、ワイドショー的な話題に付き合わせるよりもやりたいことに絞ってやらせた方がいいのではないだろうか。
いくら視聴率があるからといって、さすがに人は飽きる。
ラヴィットのように得手不得手がはっきり分かれる番組、DayDay.のようなよくわからない番組、めざまし8のように何かスベってる番組に助けられてる部分は大きい。
あさイチだって、以前と比べれば結構マンネリっぽい。
定年退職した社員を温存するというのも変な話だが、以前のように週1で出てもらった方が良さそうに思う。
それをしても視聴率的には勝負になるだろう。
ここ最近はビッグモーターや札幌での凄惨な事件など、ワイドショーが好みそうな話題が多い。
一方で、ジャニー喜多川の性加害問題などあまり触れず、もうその話題はしつこいと言いたいであろうマスコミの姿勢が見えている。
本来そういうところに突っ込んでいくのが玉川徹ではないだろうかと思っていたが、それは思い出補正だろうか。