しくじり方にもよるが、芸人が何かしらの失態を演じて、地上波から追い出されると、キー局での復帰までに時間がかかる傾向にある。
極楽とんぼの山本圭壱は2006年に姿を消し、2016年にめちゃイケで地上波への復帰を果たした。
宮崎などで、肉巻きおにぎりの店員としてテレビに出たことはあったが、自分の記憶だと、名前などは出ていなかったように思う。
コミュニティFMでは復帰していたが、キー局の地上波となると10年。
アンタッチャブルの柴田英嗣は2010年に女性問題で休業し、その間ピンで頑張り、コンビでの仕事が再開されたのは2019年の終わり。
ちなみに柴田は1年間の謹慎ののち、復帰一発目は炎の体育会TVなので、宮迫博之と違ってあっさり復帰はできている。
結局1年間の謹慎というのが大きい。
加えて女性問題であって、犯罪が絡んだわけではない。
山本圭壱の場合は、示談などで罪に問われていないものの、その点の印象はまだまだ悪い。
毎週めちゃイケを家族で見ていたが、「犯罪者」という認識が強くあるようで、「認識がゆがんでるけど、親子喧嘩してまで正すのもなぁ」という気持ちになる。
アンジャッシュの渡部建も柴田と同じく女性問題ではあるが、いかんせん内容が悪い。
千葉テレビには復帰できているものの、ピンで地上波に出られる状況にはない。
こうした前例を見ると、宮迫博之の復帰は相当厳しい。
反社が絡んだ闇営業となると、印象が良くない。
加えて、YouTuberとしてデビューし、一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。
そこでテレビを捨てればよかったのだろうが、まだ未練があり、結果として仇となった。
しかも謹慎をしたわけでもないので、「なんだよこいつ」という視聴者の反応もあるのだろう。
今からでもYouTubeに全振りすれば、そんなに悪いことにはならないように思うが。
それくらい、芸人がやらかすとなかなか戻るのは大変である。
再起を図るにはどれだけドサ回りを愚直に行えるかなんだろうと思う。
その点では、千葉テレビの、しかもよくわからない番組で復帰するのは悪くはなかったと感じる。
ただ、渡部が千葉テレビで復帰できたのは相方の児嶋一哉の尽力によるもの。
蛍原徹が宮迫のために色々働きかけるというのは考えにくい。
東京フレンドパークで他人の商品を自分が当てて、その人に譲らないような人間は、復帰に尽力しようなんて1ミリも思わないだろう。
見るからに頑固そうで、新しいものを受け付けようとしない印象を受ける。
相方からのサポートが絶望的となる、もう力業で勝負するしかない。
個人的には、何がテレビじゃボケ!の精神で、YouTubeなどネットの世界で生きるのがいいと思う。
金だけ出して経営側に徹するなど、とにかく自我を出さずに過ごせば、食うのに困ることにはならないだろう。
その姿勢を支持する人は少なくないはずである。
テレビなどのメディアを毛嫌いし、メディアのメンツが潰れることだけを面白がる人は一定数存在する。
この人たちのスターになり続ければいい。
結局は覚悟を問われている。
その答えを出すときが来ているのではないだろうか。
地上波にこだわるメリットがどこにあるのか、疑問である。