大宮から新幹線はやぶさでおよそ1時間。
仙台は案外近いところにあるなと感じた。
それもそのはず、2009年にPerfumeの直角二等辺三角形ツアーで訪れた際、別件で来た際いずれも高速バスだったからだ。
ちなみに帰りは高速バスだったが、この話は後日書くことにする。
仙台駅にほぼ隣接といっていい場所にPARCOがある。
Perfumeの衣装などが売られている期間限定のコーナーがあった。
記念撮影をする方も多く、実際に買われている方もいらっしゃった。
上の階では能年玲奈こと「のん」のイベントも行われていた。
ジャニーズ事務所の件を糾弾するなら「のん」の件はどうなんだということにはならないのだろうか。
逞しくやれることをやっている印象を感じた。
仙台のパチンコ屋は夜遅くまでやっていてえらい!とか、移住するなら仙台!など、その話は置いといて、さっそくPerfumeのことを。
ちなみにセットリストについて具体的なネタバレはしない。
ただ、濁しながらできるだけ感想を書きたいのでご容赦を。
元々は2008年から数年間ファンクラブに入り、数年間の空白を経て再加入した。
それはPerfumeを見切っていったんファンクラブを辞めたわけではなく、東京ドーム公演で温度がかなり下がったことが大きい。
2010年に東京ドーム公演があり、自分はそれで役目を終えたような気分になった。
2009年直角二等辺三角形ツアーで、横浜アリーナでの4日間すべてに参加するなど、高い温度で突っ走り、東京ドーム以降は正直惰性だった。
それもあって、いったん身を引いたわけだが、改めて再加入した背景はPerfumeに巻き起こった批判にある。
前年の仙台は空席だらけ、今年のPTAトゥワーはファンクラブツアーでありながら、ファンクラブでない人を同行できるというのが叩かれることにつながる。
Perfumeが叩かれる、個人的には強烈な違和感を覚えた。
運営サイドとの連携がうまくいっていないことは明らかだが、それにしたってどうなのか。
自分が戻るときはPerfumeが解散するときだろうと思っていたが、もう長くないんじゃないかと思い、入れるときに入らなければならないと再加入して仙台公演に行くことに。
確実に公演に入るには地方公演へ行く、これはPerfumeのライブに行く鉄則である。
あとは1人で行く。
2009年のツアーがまさにそうだった。
座席はいわゆる天井席と呼ばれる場所だったが、不幸中の幸いだったのはほぼ正面だったこと。
Perfumeはどの席でも楽しめると自分は思っているので、これはこれでよかったと思っている。
近くは近くで何かと気を遣う。
10年ぶりだったからか、あちらこちらで迷子の子供を捜索するような声で3人の名前を言う人らがチラホラいて違和感を覚えた。
そんなことあっただろうか、自分が忘れているのだろうか。
客が変わったのだろうかと一抹の不安は覚えたが、始まってみればそんな不安は消えた。
ここ最近のPerfumeしか知らない人も、昔からPerfumeを知る人もテンションが上がるセットリストだったことは間違いない。
結論から言えば、昔の気持ちを思い出させてくれる、熱量を再び高めてくれたライブだった。
10年ぶりの参戦を後悔しつつ、どうしてPerfumeを批判できるだろうかと思えた。
気持ちはわからんでもない。
入る人と入れない人で意見が違うのは当然である。
しかし、一時期あえて入らなかった自分に言わせてもらうなら、入れないから批判するのは違う。
会員ではない人を入れるという判断には色んな決断があったはずである。
ルーレットで決めたわけではないだろう。
アンパイを切らないことに批判するのは誰だってできることだ。
信者と言われるかもしれないが、ファンビジネスとはそういうものだ。
信者なきビジネスなんてこの世には存在しないだろう。
ファンクラブトゥワーはMCが長い。
まるで水戸での山崎まさよし状態になりそうだが、全くそんなことはなかった。
山崎まさよしはギターなどもうまくできないなど、そこでも問題があった。
その点、Perfumeは相変わらず素晴らしかった。
山崎まさよしがやろうとしたことは別に間違ってはいないし、アプローチとして全否定されることではない。
ただし、それはパフォーマンスを最大限に行わないと成立しない。
メリハリがあるから成立するのであって、メリハリがなければダメだ。
ちなみにアンコール前後でチラホラと帰るお客さんはいた。
明らかに仙台から東京への新幹線の最終に間に合うためだろう。
なぜなら自分も当初最終の新幹線に飛び乗ろうとしたからだ。
しかし、他のトゥワーの時間を見るとどうやら3時間くらいはかかる。
仙台サンプラザから仙台駅までそれなりに時間がかかる。
7時スタート、22時終了、最終は21時50分前後。
抜け出すのも考えたが、絶対に後悔すると思い、高速バスで戻ってきた。
どうやら横浜公演までに撮影は終えたようで、気分も楽になったか、トゥワー中の悲観的な発言というか、ここまで追いつめていたか…という発言はなかったように思う。
もちろん前年の件は本人たちも覚えているので、盛んに「平日なのによくぞ」という感じの発言は多々あった。
自分は前年の様子もわからないので、形容しがたいが、試行錯誤の真っただ中なのだから、勝負手を放ったことをまずは評価するべきだろう。
福岡や神戸、沖縄などに足を運ぶ方はセットリストに期待していいだろう。
あぁもうこれで見るものは見たぞ!ファンでよかった!と思える。
心地よい疲労、一戦交えた後のような充実した脱力感などがある。
色んなアーティストの歴史はまさに地層のように積み重なる。
その地層を見せてもらった感じがした。
Perfumeは苦労を重ねて出てきたことを改めて再認識させられる。
本当に仙台に行ってよかった。
そして、これからもPerfumeのライブは見に行きたい。
Perfumeがいずれ活動休止、解散など色んなことは起こるだろう。
その悲壮感がない状態で、現時点での最高の姿を見れたのは本当に幸せなことだ。
本当に楽しかった。
楽しいことを諦めてはいけない、この言葉は自分の中に刻み込みたい。
ライブをしに来たんでしょ!という15年前の言葉も忘れない。
3階だったが、お隣の女性たちが「真ん中でよかったね!」と言っていた。
この精神、本当に大事だ。
自然なポジティブになっている女性ファンと、よくこのライブで出会うが、今回も出会えた。
元気をもらえたし、嫌なことも乗り越えられそうだ。