大阪のフェス会場で、韓国人のDJであるDJSODAが観客に胸を揉まれたと被害を訴え出たことで、主催者が声明を出すに至った。
タイトルに「性暴力事件」とはっきり記すなど、毅然とした態度を取る姿勢がうかがえる。
今回のケースは胸を触ったとされる人物の顔がはっきりと出ており、身元がバレても何ら不思議ではない。
その他にも台湾から日本にやってきたカップルの女性が痴漢に遭ったと被害を告発し、触った人物やその周辺の人物を晒すなど、色々な動きがみられる。
得てして痴漢の話題になると、女性の服装を問題視し、痴漢に遭うのもやむなしぐらいの意見が必ず出てくる。
当時のDJSODAは確かに露出度の高い服装だったが、だからといって触っていいわけがない。
ヌーディストビーチに行ったら触り放題かと言えばそんなことはあり得ないように、露出度が高いということは別に触ってもいいんでしょとか、誘惑してるんでしょという発想はどうなのか。
というよりも、その後のことを考えないのだろうかと不思議に思う。
触られちゃった!テヘヘ!と反応する可能性が限りなくゼロであり、ふざけるな!と激怒されて法的措置をとられる可能性が限りなく100%であることが普通は想像できそうなものだ。
認知の歪みの恐ろしさもあるが、痴漢の正当化もなかなかえげつない。
露出度の高い服を着てるということは痴漢されたがっている、だから痴漢をしてもいいという発想は認知の歪みだけで片付けられるのだろうかとすら思う。
しかし、性的興奮を得るために痴漢をするのは少数派であるという意見もあるようだ。
詳しくは東洋経済オンラインの記事を見ていただきたいが、弱そうな女性に手を出して優越感を感じたいというバカげた理由もあるらしい。
仕事のストレス、家庭でのストレスなどを理由に、ストレス発散のために痴漢を行う、だとすれば、ドアホとしか言いようがない。
しかも、捕まれば反省するかと思いきや、捕まったのは自分が下手を打ったからだと捕まらない手段を考えたくなるという人もいるらしい。
薬物もそうだが、一度痴漢をやってしまうと、抜け出すのは大変である。
痴漢の話題では、必ず痴漢冤罪の件が話題になり、冤罪に遭った男性もいることや冤罪に遭わないために自己防衛に走っている男性からの怒りや嘆きも見られる。
自分も自己防衛に走っており、必ず満員電車に乗る際は両手でつり革を握るか、ドア近くで座席の側面に寄り掛かるようにしている。
痴漢冤罪を避けるために日々対策を行う男性の立場からすれば、そりゃ色々思う人がいても不思議ではない。
日本のメディアでは「痴漢ブーム」があったとプレジデントオンラインの記事に書かれていた。
随分と嫌なブームだが、痴漢をしやすい場所の紹介など、下世話以前に犯罪を煽ってるようなことをメディアがしていたようだ。
メディアといっても、今もあるようなメディアなのか、非チェーンの個人経営のコンビニで売られているような三流未満の雑誌メディアなのかという話もあるが。
一方で、仮に痴漢をしても現行犯逮捕に至るケースは実は過半数に達していないという話を上記の記事で知り、衝撃を受けた。
報道では、どこぞの公務員が痴漢などで現行犯逮捕されたニュースが流れるなど、痴漢発覚=現行犯逮捕の図式ができやすい。
自分も認識に多少誤りがあった。
物事は単純ではないと思っているが、痴漢もまた単純ではない。
今回の件で色々調べる中で気づけたのは個人的にとてもよかった。
大阪のフェスでの痴漢に関しては、群集心理というか、お祭り騒ぎで興奮しまくり、見境がなくなった部分もあるのかもしれない。
先日東京ドームで坂本勇人の打球をスタンドのおじさんが手を出して取ろうとし触れてしまい、騒ぎになった。
あれも善悪の判断がつかないくらいに、坂本勇人の「ホームランボール」がとれる!という認識だけが走ってしまい、ああいうことをさせたのだろうと思う。
興奮状態が善悪の判断を鈍らせ、本能的に動いてしまったのだとすれば、決して他人事ではない事案なんだと感じる。
ムラムラして触ってやったというより、目の前に来たからムラムラもしていたわけではなく触ろうとしたのかもしれない。
地方で公開生放送があったザ・ベストテンでとんねるずが群衆をかき分けて登場しようとした際、興奮したお客さんがとんねるずを触ろうとし、石橋貴明が応戦するエピソードがあるが、まさにそれといったところ。
1対1なら優しいのに、集団になると急に悪さが出てくる人は、学生時代にいくらでもいた。
状況次第では誰でもそうなるかもしれないと強い気持ちで臨めればいいのだろう。
その点では、人混みが大嫌いで、設定が悪くても空いてるパチンコパチスロ店を好むような人間で自分は本当に良かったと思う。
あと、痴漢の加害者は全員がプログラムを受けて、認知の歪みをただしていくべきだろう。