オジュウチョウサンやアーモンドアイなど最強馬の馬券を1円も買ってこなかった。
これには理由がある。
自分自身が「逆神」的なところがあるので、買って外した時にものすごく後悔すると思うからだ。
だから、買わないことである種応援した部分もあった。
たまたまオマタセシマシタが木曜の昼間に出走するというので、別の馬の単勝を買っていた。
オマタセシマシタの単勝はやたら売れるので、これまでの出走歴を見る限りでは過剰だろうと思った。
ただ今になって母ハロウィーンの子どもたちを調べてみると1400メートルがベストだと感じる。
半姉のレコパンハロウィーは名古屋1400メートルの重賞若草賞を勝っている。
またマメニーニャも笠松1400メートルで勝っており、血統的には笠松は合っている。
そこまで見たらオマタセシマシタの単勝を買ってたかもしれないが、もう逆神の気分で、「応援馬券」を買っていた。
これが本当に思惑通りとなって、オマタセシマシタが勝つから不思議である。
身銭を切ってジャンポケ斉藤の愛馬を勝たせても何ら恩恵はないが、「情けは人の為ならず、巡り巡って己がため」の精神で。
スタートで2番の馬がフラつき、3番のオマタセシマシタが煽りを受けたが、さらにその煽りを受けたのが自分が買っていた4番の馬。
5番の馬は東海の名手岡部誠が乗り、1番の馬はその岡部誠が選ばなかった方。
1番は前走が800メートルでかなりの距離延長。
馬は自分が走る距離を知らない、亀谷敬正がよくフリップにして出しているが、まさに距離延長の弊害が最後の直線に出る。
オマタセシマシタも決してかっこいい勝ち方ではない。
動きが硬そうで、馬体重も軽く、非力感を感じた。
そこは笠松が誇るエース渡邉竜也の経験が大きかったのかもしれない。
無理に動かす様子もなく、かといって変に内を突くこともなく、砂を被らせないように回ってきた。
騎手を成長させるのは何よりも勝利である。
これだけ勝てばもう若いも何も関係ない。
笹野博司厩舎と渡邉竜也騎手のコンビで臨めたのが大きかったと言える。
さて、この次だが、少し走れば南関東への道は開き、待望の船橋転厩も見えてくるだろう。
しかし、個人的にはそれはおすすめしない。
船橋だと1200メートルか1500メートルが中心で、1200メートルだと厳しい。
1500メートルならわからないが、1200メートルのレースが結構多いので、限られる。
それなら浦和に行き、1400か1500の条件で使えた方がオマタセシマシタにとってはいい。
しかしながら、ジャンポケ斉藤の地元は船橋で、オマタセシマシタの馬のことよりもオーナーのエゴが出ても仕方ないし、それで構わない。
あと馬の実力的に笠松や名古屋で損が出ない程度に使う方がいいのではないだろうか。
ホースケアではないが、常に全力ではなく、ある程度余力残しで出走回数を稼いだ方が赤字にはならない。
それを思うと南関東移籍はあまりおすすめしない。
夢も何もない話に思えるが、地方競馬というのはそういうところである。
時に八百長のように見えたり、無気力に見えたりするのは仕方ない。
そういうものだ。
でも、オマタセシマシタの勝利で笠松にそこそこ人が集まり、拍手も出たというのはなかなかにいいことではないだろうか。
不祥事があってイメージ回復に必死な中で、ちょっとした喜ばしい出来事である。
笠松でオマタセシマシタが見られるのは数えるほどだろう。
その数えるほどの機会だけでも笠松に人が集まるのならいいと思う。
しかし、勝つとは思わなかったなぁ。