毎年この時期の楽しみはレディースオールスターである。
今年は蒲郡で開催だが、この開催に何とか間に合ったのが大山千広。
2022年10月の丸亀の女子戦でレース中に別の選手の艇が大山千広の身体に追突するような形になり、大けがを負ってしまった。
その時、自分も配信を見ていたが、勢いが多少なかったとはいえ、なかなかの事故だった。
といっても、1マークで5号艇にダンプをするような形になり、急停止したところへ突っ込まれており、決してもらい事故というものではない。
大山千広本人もこの時のレースぶりを反省していた。
とはいえ、数ヶ月の戦線離脱は色々な意味で痛かった。
大山千広という選手は若くしてタイトルをつかんだものの、そこから先がなかなかに修羅の道を歩んでいる。
レディースチャンピオンに優勝した2019年8月以降、2019年後期から毎期フライングを犯していた。
その記録は2022年5月からの期でストップしたが、それまで1回ないし2回のフライングを経験した。
フライング2本持ちも2回経験している。
それでも何とかA1を確保してきたが、スタートに対する不安が所々で垣間見えた。
ヤングダービー優出を始め、ウエスタンヤング優勝など若手男子レーサーに混じっても成績を残してきた大山千広。
優勝戦でも1号艇で負けた回数は調べる限りでは数えるほどしかない。
1号艇に入れば確実に優勝を決めてきた。
それはレディースチャンピオンでもウエスタンヤングでもそうだった。
そんな大山千広が2020年の下半期以降、優勝回数を激減させている。
過去3年間、全場での成績をチェックしたが、5着や6着をどこかでとってしまうことが目立っている。
準優には出られるが、そこで結果を出せても優出は外側ということになる。
ドリーム戦1号艇で大敗というのも女子戦の成績を見るとチラホラと出てきた。
スロースターターなのかもしれないが、初日に6着を並べていた人が、2日目から4日目まで2連対でまとめたこともある。
ウエスタンヤングを優勝した時は初日のドリーム戦、4日目12レース、準優、優勝戦としっかり逃げている。
なぜか3号艇と6号艇が回ってこなかったという、いささか番組マンの意図も感じさせる状態だったが、それでも崩れなかった。
レディースチャンピオンを優勝した舞台に大山千広がやってくる。
ファン投票2位なのでドリーム戦は2号艇。
成績を確認する過程で、スロースターターぶり、ドリーム戦でやらかすデータを見てしまったので、差して好スタートを演出する映像が思い浮かばなくなってしまった。
そもそも1号艇には守屋美穂がいるので、差されてしまうイメージがそんなにない。
3号艇の平高奈菜がまくるのか、それともここ最近飛ぶ鳥を落とす勢いの4号艇倉持莉々が気合を入れていくのか。
いやいや、5号艇に「まくり姫」高田ひかるがいるではないか、ここがいくやもしれない。
待て待て、6号艇にはSGレーサーの遠藤エミがいるぞ、怖いぞ。
高田ひかるに関しては強気に行くだけ行って、内側の艇に抵抗されたところを隣の選手がごっつぁんですとばかりにかっさらっていく光景を見かけ、そのおかげでおいしい思いを何度もしている。
平高奈菜と倉持莉々が隣にいて、それでも強気にまくりに行けば、吹っ飛ばされそうな気がしないでもない。
そんな状況で大山千広が出遅れたら、それはもう3号艇の平高奈菜の1着じゃないかと思う。
もしくは自分の大好きな1-6=全か。
モーターも何もわからない中で予想をするのは滑稽だとは思うが、それくらい女子戦の予想は楽しい。
女子戦は難しいというが、おおよその傾向は何となくつかめるものだ。
2年前は100%近くだったものの、昨年はサイコロで予想した方がマシと思えるくらい、目を疑う驚愕の低回収率だった自分には言われたくないだろうが。
最後に大山千広で思い浮かべるのはアメトーークのボートレース芸人である。
企画の最後にみんなでレースを予想する流れになった。
調べてみると2015年6月4日の3日目1レース、舞台は蒲郡。
ここで大山千広はキャリア初の転覆を経験し、スタジオでは怒号が飛んだ。
記憶では、グランジ大が椿鬼奴から軍資金をもらい、それで舟券を当てていた記憶がある。
今ではボートレースの配信に欠かせない存在となり、本業よりも忙しい。
ちなみにこの翌日、大山千広はキャリア初のフライングを喫している。
そんな大山千広が蒲郡開催のレディースチャンピオンで優勝しているのだから不思議である。
しかも8戦7勝、ほぼパーフェクトで圧倒し、優勝戦は01のスタート。
この大山千広ならSG戦線でやれる。
そして、復帰戦が蒲郡開催のレディースオールスター。
やれスロースターターだ、ドリーム戦で大敗しやすいだと語ってきた。
それがひっくり返った時、復活した大山千広に色々な夢を託してもいいのではないかと思っている。