失敗やしくじりは、人間なら誰しもが経験する。
1回目の失敗やしくじりは、実はピンチなようでチャンスである。
1回目の場合、基本的に挽回の機会が与えられるからだ。
その挽回の機会で何が何でも成功させてやると気合を入れ、見事にリベンジした時、今までの失望が信頼に変わりやすくなる。
だから、失敗やしくじりは何の問題もない、1回目までは。
質問で、失敗をやたらと強調するものがあり、批判が殺到しているそうだが、その批判はわからんでもない。
ただ失敗だとしても、1号機の1回目なのだから、そりゃ失敗もあるだろと自分は思った。
質問した記者も、まさか失敗にガッツポーズなんかしていないだろう。
次はエンジニアたちの威信をかけて何が何でも成功させようと必死になるはずである。
成功してもすんなりと流され、失敗したらやたら強調されるのが日本である。
成功がさも当たり前みたいな考えがそもそもおかしな話だ。
人間がかかわる以上、失敗は避けられない。
その失敗を挽回できるか、できないか、チャンスをつかめる人は絶対に挽回する。
自分は挽回してくれると信じているし、モノづくりの国に住む者としてそうあるべきだと思っている。
元々日本のロケットは1999年にH-Ⅱロケットで失敗するなど、苦境に立たされたことがある。
この失敗などもあって、宇宙開発の複数の団体が統合されてJAXAが生まれる。
もう失敗は許されないとばかりに改良が進められたH-IIAロケットは高い成功率を誇った。
成功率の高さは国際水準を満たしており、世界に信頼されるロケットとなっている。
このような経緯もあるので、日本のロケットに関してはそこまで不安に思ったことはない。
日本のエンジニアには計り知れない意地とプライドがある。
失敗を殊更強調する必要もないと思うが、あれは失敗ではない!と抗うメリットもないように思う。
一番悔しいのは現場のエンジニアである。
想像を絶する悔しさであることは間違いない。
そして、すぐに、次は絶対に成功させてやるぞとリベンジに燃え始めるはずだ。
EXITの兼近が過去に逮捕歴があることは、「ルフィ騒動」で改めて強調されている。
過去に逮捕されたからテレビに出るのは控えた方がいいというのは、正直な話、バカげている。
例えば、草彅剛や稲垣吾郎に対していつまでも、お前逮捕されただろ!と言うつもりなのだろうか。
ソフトバンクの小久保二軍監督などプロ野球脱税事件で執行猶予刑を受けた人たちをいつまでも糾弾し続けるのだろうか。
兼近の件は被害者がいる案件であるが、かなり前に終った事件であり、1度逮捕歴が発覚した際に禊は済んだと思う。
例の脱税で執行猶予刑を受けた選手の多くは「鬼軍曹」と称されるくらいに厳しさを持つ人物である。
例の事件を契機に、より強く律するようになったということだろう。
何より、1回目の失敗・しくじりである。
田代まさしだって、「ミニにタコ」の時は1回目だから、割と早めにめちゃイケに出て、カメラで追いかけまわす演出に参加している。
前園真聖も1回目のしくじりを大いに反省して、一切酒も飲まず、信頼を得ていった。
芸能界だけでもこれだけ多くの人が捕まり、何事もなく活動している。
名前を出せばキリがない。
EXITの兼近に関しては「ルフィ」の存在が大きいのかもしれない。
ただ、直近で親密でない限り、さすがにその追及は苦しいように思う。
1回目の失敗・しくじりに関しては、重罪でない限りはむしろ生まれ変わるチャンスである。
おそらく身近にそのような人はいるだろう。
失敗・しくじりに対し厳しく叱責するのは必要であり、それがあったから生まれ変わるきっかけになった人は相当多いはずだ。
そして、禊が済めば、あとはその人がどのように活動をするのか、しっかりと見守り、立ち直ればその行為を称えることが大事である。
1回失敗したらいつまでも言われ続けるのは何とも世知辛い。
H3ロケットも、指摘すべきところは指摘した上で、次の打ち上げでは成功を願えばいい。
しくじったら一生許さないなんて、そんな世の中は絶望しかない。