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ラジオNIKKEI中野雷太アナのパワハラ疑惑に思うこと


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bunshun.jp

競馬の実況が好きで、このアナウンサーはいい、あのアナウンサーは微妙だなと色々思うことがある。

かといって、民放の実況はダメでNHKはいいと言えるほど、競馬実況というのはそんな単純なものではない。

NHKの実況はさほどいいとは言えず、わざわざNHKで放送しているからそこで見ようとは全く思わないし、そういう人が多いのではないだろうか。

やはり、信頼される実況を届けているのがラジオNIKKEIである。

 

中野雷太アナのパワハラ疑惑は、正直な話、あってもおかしくはないかなと感じた。

そもそもアナウンサーの世界はパワハラと表裏一体の部分がある。

言葉の使い方がどうこう、アクセントがどうこうと厳しい口調で叱り飛ばされ、悔し涙を流すのがもはや定番である。

大阪のMBSの女子アナが初めてラジオでニュースを読む動画があるが、サムネで女子アナが大粒の涙を流している。

自分はその時点でドン引きであり、これを美談と思えない神経で良かったと心底思う。

準キー局がラジオでニュースを読むだけで泣かされる時代、しかも令和の話。

ならば、競馬場にも流れる実況を提供し続けるラジオNIKKEIにおいて、ぬるい指導が行われていると思う方がおかしな話だ。

現に大関隼アナは、大阪時代に藤田直樹アナから散々叱られ続けたことをTwitterで事あるごとに紹介している。

変な実況をすれば、何だあれは!と先輩が容赦なく叱るし、リスナーもあの実況はおかしいと苦言を呈す。

ラジオNIKKEI、とりわけ、実況アナウンサーのフィールドはパワハラスレスレとしか言いようがない。

これはフジテレビや関西テレビでも同じようなものだと思う。

それくらい競馬実況は職人芸的な部分がある。

パワハラスレスレの状況がいいか悪いかは一旦置いておいて、そのような前提があることをまず理解しておきたい。

 

中野雷太アナに関しては、2005年から長らく配信されていたポッドキャスト番組を聴いていたので、散々人となり、性格に触れてきた。

番組内では、当時ラジオNIKKEIのアナウンサーだった渡辺和昭アナがパーソナリティを務め、中野雷太アナは終始いじられる存在。

週刊文春では一切触れられていないが、渡辺和昭アナも中野雷太アナもハロプロ好きで、ハロプロ好きの社員を集めて祝日に番組をやっていた。

その番組が2005年に商業放送初のポッドキャスト配信を行うことになり、18年の時を経てもいまだに聞ける。

中野雷太アナは藤本美貴のディナーショーにも行っており、その音源はポッドキャストに残されている。

何事にも全力投球で、周囲を巻き込んでいくタイプであることは間違いない。

ハロプロがフットサルをやれば自らもフットサルをやるように。

お酒が大好きで、酒の席でついついテンションが上がりすぎる傾向にあったことも番組を聴いていれば容易にわかる。

競馬場の達人に出演した際もテンションの高さが垣間見えた。

競馬に真摯に向き合い、安定した実況や競馬の知識を備えており、ファンの信頼は厚い。

それらを総合的にまとめると、パワハラと指摘されてもあのタイプでは勘違いされるだろうなと思う。

まず理詰めで説教したら逃げ場がない。

でも、直属の後輩である小塚歩アナのように、飲みニケーションができる後輩だったら、その熱はちゃんと伝わる。

飲みニケーションができない後輩、同期で入り、ライバル関係にあった同僚が相手だと、そうはいかない。

早い話、中野雷太アナは昔ながらの上司に近かったと見るべきだろう。

その中野雷太アナを可愛がった渡辺和昭アナは、今回の件で、おそらくヤフーのコメント欄だろうが、自分の名前が出てきたことに強めに否定をしている。

私自身、渡辺和昭アナは何とも憎めないおじさんで好きなのだが、そう言われても仕方ない部分がある。

どんな人でも強めに、ややお下品にいじってしまう。

交友関係が広く、今でも慕われる一面はあるが、そこも表裏一体。

その系譜に中野雷太アナがいて、全てではないが、体質を受け継いだとしたら、ある種可哀想な部分がある。

自分がやってもらったことを全否定して、自分のやりたいことをフルモデルチェンジでやるのはなかなかできない。

たいていは自分がやってもらったことは全肯定し、そのやり方を踏襲しようとする。

これはその会社、組織でもそうではないだろうか。

 

ラジオNIKKEIを辞めたアナウンサーは数えるほどしかいないので、誰の事か、ほぼ特定できる。

ノドの調子が一時おかしくなったアナウンサーなんて、調べればすぐにわかる。

誰が告発したかなんて、リスナーですらわかってしまうくらい、登場人物は少ない。

あと、ラジオNIKKEIは定年を迎えたアナウンサーが嘱託として実況を続けているケースが目立ち、慢性的な人材不足にある。

ゆえにNHKから転身してきた三浦拓実アナなど、人材をかき集めている。

ちなみに三浦拓実アナは2006年凱旋門賞の実況を担当しており、横に岡部幸雄氏が直線に入り、「まだまだ!」「大丈夫!大丈夫」と叫ぶ中で頑張っていた。

3場開催、前半と後半でアナウンサーが入れ替わる状況となると、スペアはほぼいない。

もしもパワハラで複数のアナが辞めた、もしくはその原因を作ったとすればその罪は大きく、自らが何かしらの対策を立てないといけない。

現在、藤原菜々花アナが競馬実況の練習中とされており、この人がどうなるかだろう。

 

パワハラだと言われないように、それでも厳しい叱責を交えて鍛え上げるには、人格は最大限に尊重しつつ、その行いをいかに叩き直せるかにかかっている。

これは人材不足が叫ばれる職人芸的な職業すべてに言える。

人材はいくらでもいるんだと言うには、残念ながら人の数が少ない。

パワハラだと言われてもかまわない、それで淘汰されるとすれば本望、自分の代で産業が全滅して何が悪い!とどれだけの職人が言えるのだろうか。

いわば人材不足に陥るのは身から出た錆のようなもので、アップデートできなかった自分自身の問題である。

競馬実況は職人芸で、指導が厳しくなるのは仕方ないと自分は思う。

しかし、パワハラと指摘を受けたのであれば、一度は見直すべきだろう。

1度目の報道で無視をしてやり過ごすのは、猛省して2度目の報道が出ないように改める自信がある時だけだ。

仮に1度目の報道より、より悲惨な出来事が2度目に出た時、すべてを失うことになる。

中野雷太アナがどこまでその可能性を考えているのだろうか。

2度目が何を意味するか、その重大さをわかってほしい。

不本意なことで、好きな仕事ができなくなることがどれだけ悔やんでも悔やみきれないか。

何百回とポッドキャストを聴きながら、一切ハロプロ好きにはならず、そのトークだけを楽しんでいた1人のリスナーとして、不本意な理由で競馬実況を降りることにならないよう、切に願う。

頼むから、猛省してほしい。

自らを省みて、いったんゼロベースから指導方法を見直してほしい。

決して難しい注文とは思わないのだが。


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