広末涼子は悪女のごとくイメージが下がり、鳥羽周作もかなり株を下げたように見えた中、キャンドルジュンですら色々な報道が出てきている。
最も不幸なのは鳥羽周作の奥さんや子ども、広末涼子とキャンドルジュンの子どもたちということになり、その部分を主張すれば、たくさんのいいねがもらえるだろう。
しかし、この騒動は単なる不倫騒動ではなくなり、週刊誌を巻き込んだバトルに発展している。
そして、「頭の悪いご意見番」と耳にしてしまって激怒した和田アキ子を含め、場外乱闘模様になってきた。
こうなると、子どもたちが可哀相なんて声はかき消され、格闘技を見るような気持ちになりがちだ。
自分がまだ小学生ぐらいの時に、ミッチーサッチー騒動があった。
Wikipediaで改めて振り返ると、事の発端はミッチーこと浅香光代がラジオ番組で、サッチーこと野村沙知代を批判したことから始まる。
1996年の総選挙で野村沙知代が出馬し、重複立候補で比例区で次点落選し、当時あった都知事選の絡みで野村沙知代が比例復活当選を果たす可能性が出てきて、浅香光代がブチギレた。
浅香光代と野村沙知代は1998年まで行っていた舞台で共演し、とても仲のいい関係性と思われていたが、実際はいがみ合うような関係性だったとして、驚きを持って取り上げられる。
当然野村沙知代も黙っておらず、浅香光代の一連の発言は売名行為であると一蹴した。
当時のワイドショーはこれを面白おかしく取り上げた。
そして、野村沙知代に嫌なことを言われた芸能人は浅香光代を、1番人気馬を嫌って穴馬に乗っかろうとする芸能人は野村沙知代をそれぞれ応援し、ワイドショーがこれも取り上げる。
今度は野村沙知代の家族まで登場し、野村沙知代バッシングに参加。
野村沙知代の公職選挙法違反疑惑なども相まって、連日ミッチーサッチー騒動が繰り広げられる。
1999年は決して暇ネタしかない1年ではなく、とても目まぐるしい1年だったが、世間の興味はミッチーサッチー騒動一色。
野村沙知代は以前からお騒がせタレント的な人物だったが、この年はイメージがさらに悪化。
おしゃれカンケイにゲストで出れば資生堂一社提供なのに資生堂がこの時だけ降板し、とんねるずのみなさんのおかげでしたの食わず嫌い王に出れば、メインスポンサーの花王もこの時だけ提供クレジットに出てこなかった。
野村沙知代は野村沙知代でたくましい女性であり、全国の講演会に足を運んでは浅香光代バッシングを繰り広げる。
2000年に入るとさすがにこの騒動は終わりを迎えたし、世間もマスコミも飽きてしまった。
2001年、野村沙知代は別件で逮捕されてしまい、結果として浅香光代は正しかったという雰囲気で完全決着を迎える。
これがおおよそのミッチーサッチー騒動だが、小学生の時のイメージは、誰1人知らないおばちゃんたちの大乱闘スマッシュブラザーズを見させられている気分だった。
大乱闘スマッシュブラザーズは1999年に発売され、任天堂のキャラクターがバトルを展開するという画期的なゲームで、自分も友人と遊んでいた。
全く見たこともないおばちゃん同士で戦うスマブラは、正直面白くない。
この人たち何をしているのだろうと子どもながらに思ったものだ。
この時期は羽賀研二と梅宮アンナ、桜庭あつこなどが巻き起こした騒動もあった。
売名行為という言葉をこれほど聞いた年はないかもしれない。
ワイドショーそのものに対してうんざりとした気持ちを抱く人が今も多いのは、こういうこともきっかけだろう。
あれから干支二回り。
ワイドショーはまだ細々と続いているが、広末涼子やキャンドルジュン、鳥羽周作がそれぞれ週刊誌や記者会見で好き勝手に発信していることで、ワイドショーの格好のネタにされている。
世間の食いつきがいいからこそ、ワイドショーもこの問題を取り上げようとする。
まさかジャニー喜多川の性加害問題を取り上げるなんてことはできないし、どっちに転ぶか分からない市川猿之助の問題を取り上げるぐらいなら不倫報道を取り上げるだろう。
ラヴィットが一切スキャンダルネタなどを取り上げず、その姿勢が支持を集めていることでワイドショーから脱却しようとする局は増えている。
しかし、日本人に植え付けられたワイドショーの呪縛はそう簡単に解けることはない。
Twitterでは不倫騒動なんかよりもっと大切な報道があるだろ!という意見も当然あるが、悲しいかな、何を取り上げてほしいかといえば、奥様方に全く興味がない話ばかりである。
インボイス制度やロシアの問題などどれも重要だが、お茶の間の奥様はほぼ関心がない。
お茶の間の奥様はラヴィットすら見てない可能性がある。
断然広末涼子やキャンドルジュンなどの不倫騒動の方が面白いと思っているはずだ。
さすがに秋までには収束するだろう。
しかしながら、骨肉の争いとか離婚調停のバトルとか、ワイドショーでは嫌ってほど取り上げてきた。
子どもの時に散々見たその当時のイメージがいまだに忘れられず、久しぶりに沢田亜矢子をテレビで見かけても、ゴージャス松野は何をしているのだろうかと思ってしまう。
そう思うと、広末涼子やキャンドルジュンなどの不倫騒動に対しても、ミッチーサッチー騒動と同じことを思っているかもしれない。
色んな意味を含むが、「そんなやつに惚れたお前が悪い、喧嘩両成敗じゃ!」で片付けられないだろうが。