ジェンダー系の指摘は、すればするほど、お笑い好きの態度を硬化させる。
なぜかと言えば、お笑い好きは卑屈な部分があるので、基本的に権利を主張する勢力への侮蔑がある。
「俺たちは虐げられている、正当な評価を受けていない」というのが心のどこかにあるから、女性が主張することは強者が権利を主張しているような感覚を持っている。
それはお笑い芸人にもあって、この記事を5人の審査員に見せたら、その通り!と心底思う人はいないだろう。
それどころか、「なんかムカつく!」ぐらいの感想を抱くはずである。
お笑い好きの人格の問題というよりも、お笑い好きならではのルーツがそうさせる。
弱者男性の問題にも通じるので、これもまた近い将来血で血を洗うような展開を経ないと本当の解決は見られない。
地獄のような現実が訪れてからようやくわかってもらえる話だと思う。
性別どうこうに弱者も強者もないというあまりにも当たり前でありながら、現状当たり前と思われていない状況から抜け出さない限り、この話題は一生平行線である。
そして、ある一件を思い出した。
かれこれ10年近く前になるが、とある特番の番組観覧に参加したことがある。
当時応援していたアイドルグループが出るというので、ファンクラブ会員の中で観覧応募の告知があった。
まぁダメ元で応募するかと応募したら見事に当たった。
当日はテレビ局の駐車場が観覧の人たちの待ち合わせ場所となった。
整理番号もメールに書かれており、パチンコの抽選だったら、北斗の拳もからくりもなんでも打てるじゃん!というくらい、結構最初に入れる整理番号だった。
メンバーを近くで見れる!そんな感じでウキウキしてたら、まさかのアナウンスがあった。
整理番号に関係なく女性最優先というアナウンス。
女性が先に入り、その後に男性が入るというもの。
整理番号とは何だったのかという話であると同時に、先に告知しとけよという話でもある。
当然男性たちは激怒するわけだが、一応大人なのでその場では我慢していた。
男性たちの怒りが爆発したのはスタジオに入ってからだった。
まぁ見にくいというか、キモオタを晒したい意図でもあるのだろうかと思えるような席だった。
早い話、メンバーの背中ばかりを見ざるを得ない場所。
それでいて女性アイドルグループを女性ファンたちが見守るような配置だった。
おそらくモデルなども起用しているのだろう。
やたらと可愛い人が最前列にいた。
この現象はある女性アイドルグループのPVにエキストラで行った際にも見られた。
やはり男性は後ろ、女性は前だった。
これはどうなの?これはジェンダー的にありなの?と書いてて怒りが湧いてくるのだが、あの場にいた男性の多くはカチンと来ていたと思う。
この手の手法は日テレだろうがテレ東だろうが、テレビの常套手段である。
ミュージックステーションもそうだった。
今は知らないが、Perfumeが出演する際、ファンクラブにも応募告知があるのだが、女性しか観覧に行けなかった。
まぁ野郎だけの絵面では視聴率がとれないということなのだろう。
関口宏の東京フレンドパークだって観客のほとんどは女性だった。
野郎ばかりが観覧席を埋めたフレンドパークの回はあまり記憶にない。
一事が万事そんな感じである。
多分テレビマンは女性を軽んじて男性に権威をつけるみたいなことを、本心で思いながら演出していないだろう。
ここまで指摘しないとジェンダーどうこうだけでは共感は得られない。
マスコミの人権意識がどんなものかは、ADの悲惨な状況を見れば明らか。
ジャニーズ事務所の問題もそうだが、そりゃその低次元な意識では、ジェンダーの指摘をたくさん受けるわなとしか言いようがない。