男の子を育てる時は父親が積極的に介入した方が良いな。父母の集まりで「3歳になったら息子に空手でも習わせようかと思ってる。なんだかんだ男の子社会は『こいつを怒らせたら怖いな』っていうのが抑止力になるから」って言ったら男親は「確かに」って反応だったのに女親はピンと来てなかったもんな。
— ヨッピー (@yoppymodel) 2023年6月19日
ヨッピーさんは何かと面白いことを体当たりで取材される方であり、文章も面白く、いつも楽しく見ている。
上記のツイートがバズっていたが、曲解されることも多かったようで、noteにその真意をまとめている。
要約すれば、ナメられないようにやることはやっておいた方がいいという感じで、その方針はものすごく理解できる。
子どもの世界は不思議なもので、殴ったり殴られたりすると自然と仲良くなることがある。
この人は殴ったらいかんぞ、こいつはそんなに力がないぞと互いに理解し、歩み寄れる人は歩み寄れるようになる。
だからといって殴り合うことを奨励するつもりは全くないが、子どもは自然発生的にケンカをしがちである。
どうしても殴る殴られるという事案は起きてしまうものだ。
そこで空手を学ばせておけば、そもそもケンカを仕掛けられなくなったり、仕掛けられても自制心が出てくる。
ボクサーがケンカを吹っ掛けられて殴ったら捕まってしまうように、空手を学ぶ子供が仮に殴ったら、とんでもないバッシングを受けるだろう。
何事にもイメージは大切である。
ただ、ヨッピーさんのツイートに個人的にはちょっとした反論をしてみたい。
もちろん怒らせると怖い人は緊張するが、怒らせると面倒くさい人の方が自分は嫌だという意見だ。
怒らせると怖い人は基本的に温厚で、よほどのことで怒らない。
怒っても烈火のごとく怒るが、ちゃんと謝れば水に流してくれやすい。
ところが、怒らせると面倒くさい人はいつまでも覚え、いつまでも言い続ける。
どれだけ社会的制裁を受けようが、経済的に痛い目を見ようが、それでもなお許さない。
怒らせると面倒くさい人にイジメを仕掛けたら、死ぬ時まで足を引っ張られる可能性がある。
イジメを仕掛けた側は簡単に忘れ、イジメを仕掛けられた側はいつまでも覚えていることはよくあるが、イジメを仕掛けた側は記憶にないことで生涯にわたってダメージを受け続ける可能性すらあるのだ。
怒らせると面倒くさい人がいると、高確率で泥仕合となり、誰もハッピーにはならない。
泥仕合を経験すると、こいつは怒らせると面倒くさい人という扱いを受け、自然と距離を置かれるようになる。
これならイジメも受けないし、自由に暮らすことができる。
しかしながら、怒らせると面倒くさい人は性格がかなりねじ曲がり、かなりひねくれる。
そんな子どもには育てたくないだろうし、その牙は親にも向けられる。
組織にも平気で反旗を翻し、何かあれば係争に持ち込むかもしれない。
泥仕合を平気でできる人を敵に回すのは絶対に辞めた方がいい。
得がないではないか!と思うだろうが、泥仕合で多くの人がうんざりしていること自体が得であり、その人にとってはそれで満足なのだ。
殴り合いなら、力が強い・弱いで決まるからそこで決着がつく。
怒らせると面倒くさい人は殴った事実をいつまでも覚え、不特定多数に吹聴することがある。
その人からすれば、当該人物が不幸にさえなれば自分自身が経済的ダメージを受けようが何しようが関係ないのだ。
とはいえ、子育てをどれだけ頑張ろうと、1回の挫折ですべてが変わることもあるので、手間暇をかけることはコスパ的にどうなのだろうかと常々思う。
たくさんの習い事をさせて人見知りになっている人をよく見るが、コスパ的には最悪である。
子育てをコスパで考えるな!効率重視で捉えるな!と言われるだろうが、親からすれば何事も負担が少ない方がいい。
勝手に育ててたら勝手にたくましくなってましたというのがコスパ的には最高だ。
ヨッピーさんの「雑に育てる」というのは個人的には素晴らしい考え方だと思う。
怒らせると面倒くさい人もまた結構たくましい。
あの負のパワーは侮れず、何かを成し遂げることも多々ある。
「だが、情熱はある」というドラマでは山里亮太と若林正恭2人の物語が描かれているが、結局は怒らせると面倒くさい人の物語である。
いつまでも忘れない、いつまでも怒りの温度が同じ、そして、どれだけ相手が制裁を受けても納得しないし、制裁を受けていると平気でざまあみろと言えるタイプである。
情熱とは怒らせると面倒くさいに通じるのかなと思った。
その点、相方のしずちゃんや春日俊彰はその様子が全くない。
ラジオ深夜便にしずちゃんが出てきた時、ボクシングに挑戦してトレーナーからわざとしずちゃんを怒らせるようなことを言われていたらしい。
それに奮起して頑張ってもらうのが狙いだったそうだが、山里亮太だったらいつまでもネチネチと言い続けるだろう。
結婚もして子供も生まれ、山里亮太にいたっては蒼井優と結婚し、見事な逆転人生である。
それでもなお、ドラマで先に出番が来た来てない、出番が多い少ないで真っすぐなクレームをつけられる山里亮太は本物である。
怒らせると面倒くさい人は自分に牙をむけた者は許さないし、たとえ瀕死の重傷を負っていてもそれを笑うだけのドロドロした怒りがある。
もしも、たくましい子供を育てたいなら怒らせると面倒くさい人に育てた方がいい。
色んな社会で生き残る人は、怒らせると面倒くさい人ばかりではないだろうか。
執念深く何が何でも負けたと降参せず、たとえ瀕死の重傷を負っても、たとえ死ぬことになっても最後まで勝ったと言える大人が生き残れる。
大切なのは力の強さではない、執念深さだ。