上岡龍太郎は天国でどのように祝福したのだろうか。
ストレートにおめでとうと言いそうだし、なんで生きてるうちに…とボヤきそうだし、どちらも言いそうなイメージがある。
日本一になるならば今年だろうと独走し始めてからはそのように感じていた。
熱狂的なファンや関係者が亡くなると、それが見えない力となって後押しをする。
それは1985年も2023年も同じだった。
ドラマとしては最高の終わり方である。
歴史的に見ても感動を誘うような終わり方ではないだろうか。
オリックスは負けて強し、よくぞあれだけケガ人がいた中でここまで踏ん張れたと思う。
とにかくオリックスはそう簡単には土俵を割らない。
これは一昨年も昨年もそうだった。
特に昨年は山本で落とし、劇的な引き分けで勝ちを逃し、3戦目も落とした。
流れは明らかにヤクルトだった中で流れに屈することなく日本一になった。
今年もそんな雰囲気を感じさせた。
悔しいかもしれないが、できる限りのことはやれていたと素人目には感じた。
あとは岡田監督の采配がことごとくハマった。
青柳で始まり青柳で終わることを考えていたというのも、シーズン中の発言からはとても本心とは思えないものだった。
湯浅もそうだが、突き放すようなコメントしか見聞きしなかった。
コメントとは裏腹に重要な局面で青柳や湯浅を使い、この2人が見事に機能した。
まさに終わり良ければすべて良しである。
38年ぶり2回目の日本一は横浜と全く同じである。
自分が38年ぶりの日本一を経験した時は小学生だった。
その当時の38年前は歴史の話に思えたが、1985年の話題は確かに歴史の1ページかもしれない。
次は広島の番だろう。
広島は40年ぶりの日本一を目指すことになる。
3連覇当時は38年に届いていなかったので、正直な話、38年まで待ってほしいと思っていた。
だから、阪神が日本一になっても素直に祝福できる。
38年も日本一を待つことのきつさ、わかりますよね?!と話ができるのがいい。
38年も日本一になれないというのは、やはり罪が重い。
目の黒いうちにもう1回ぐらい日本一を見たいと自分も思っているが、38年周期ならまだ10年以上残っている。
住宅ローンを支払い続けるサラリーマンの気分だ。
でも、38年待ったからこその喜びがある。
オリックスも昨年26年ぶりの日本一を果たしている。
もしも来年横浜が日本一になれば、やはり26年ぶりになる。
26年も大概だが、もしそうなればたぶん泣くだろう。
在阪メディアが必要以上にチヤホヤし、タニマチがキャンプインまでドンチャンドンチャンやってくれたらわからないが、そこは岡田監督である。
横浜はやはり38年待たなきゃいけないのだろう。