ロードの歌詞のようなことを書くが、ちょうど2年前の記事である。
若い男性ほど女性活躍に後ろ向きな調査結果が出たという記事だ。
男社会からの変容はどの国でもあると思うが、他の国はそれを終えていることが多い。
日本はそれが本格的になりつつあるということだろう。
男の方が有利な時代からそうではない時代に変わる、普通に考えれば当然と言える。
しかしながら、男の立場からすれば、昔の方が良かったなと感じるのは致し方ないところである。
若い世代の男性からすれば、男社会をぶち壊した今の女性たちに憎悪が向いているようだ。
根底にあるのは低賃金で、日本もそうだが、韓国も酷いようで、フェミサイドと呼ばれる女性への憎悪によって男性が女性を殺害するケースがあるのだそうだ。
2年後の今どうなっているかはわからないが、2年でガラッと変わるとは考えにくい。
韓国の場合は低賃金や過度な就職競争、兵役など日本にはないものもいくつかある。
女性は兵役の対象ではなく支援を受けやすい現状と比較すると、女性の方が既得権益側ではないかと感じる韓国人男性が出てくるのもわからないではない。
それがインセルなどにつながり、弱者男性の反逆につながる可能性を秘めるのだが、着々とそれは進行しているのではないだろうか。
TheWのネット生配信で、ニューヨーク屋敷が吉住に対してフェミニストを揶揄するような発言をしたという。
ニューヨークのネタなどを見ると、人間誰しもが持つ嫌な部分を、さも弱者男性のようなマインドでネタにしている。
ニューヨークの生配信をたまに見ると、俺のことなんか何も知らないくせにとやかく言ってくれるな!的な雰囲気を醸し出す。
それは嶋佐もそうだが、基本的に女性を下に見ている印象を受ける。
自分も弱者男性の本流を歩む人間だが、女性が上とも下とも思ったことがない。
小学生の時は、男と女で分かれやすく、女というだけで負けてたまるかという気持ちがあったが、あれはなんだったのだろうか。
立川談志はフェミニストだったという話はM-1決勝でのエピソードから聞いたことがある。
M-1決勝で審査員をした際、スピードワゴンに50点をつけた。
今だったらSNS中心に大炎上するような点数である。
ネタの中で女性の生理を取り上げたからで、下ネタが嫌いだという理由で50点にした。
ちなみに立川談志はスピードワゴンを毛嫌いしていたわけではなく、のちにネタを評価している。
取り上げた題材が気に食わなかっただけで、腕自体は高く評価していると言えるだろう。
ニューヨーク屋敷の話に戻るが、屋敷は計算高い人間であり、下手なことは言わない人間だと思っている。
池田エライザの件など世間にバレていないこともあるが、基本的には下手な失言はやらかさない。
だから、屋敷がフェミニストを揶揄する発言をしたのは、少なくともマイナスにはなりにくいと思っているはずだ。
フェミニストは揶揄していいというネットミームと呼ばれる現象が中高生の間で起きているという話もある。
面倒くさい奴らだなぁという認識が若い世代で根強くあるとすれば、屋敷の発言でフェミニストが激怒したとしても、「ほらね、面倒くさいよね」という共感を得られやすい。
だから、今の活動だとフェミニストは若い世代から揶揄をされ、支持されていないというのを自覚しなければならない。
まぁ女性の権利を獲得するまでにどれだけの血と涙、犠牲があったかという話ではあるが、そんなことは若い世代にとってどうでもいいことである。
どうでもよくないと心から思っていたら、少なくともフェミニストを揶揄する気持ちは生まれないだろう。
この件も言ってしまえば弱者男性の標的を受けた話だが、当事者がそう簡単には折れないファイターだから標的を受けやすい。
フェミニスト=攻撃性が強い、そんなレッテルに使われそうな人である。
先日会った高校時代の同級生の女性は、出産後相当なダメージを受けて復帰に時間を要したが、別の女性は出産後早々に職場復帰するなど、同じ女性でも色々違いはある。
女性だからこういうものだと一言でくくれないのもまた事実で、色んな色があることを認識して議論はしないといけない。
ただそこまでの余裕が男性側にあれば、そもそもこんなことにはならないだろう。
すべては景気の問題である。
景気なんかが良ければ、たぶんだが、男性側もなんとも思わないはずである。
弱者男性はサバイバーであり、サバイバーからすれば確かにそう思ってしまうのかもしれない。
互いにそのことを踏まえた議論ができるものだろうか。
いや、何が何でもそうした議論をしないと、フェミサイドが日本で起こり始めても何ら不思議ではない。