ウオッカは牝馬でダービーを制しているのは紛れもない事実であり、それをもってして牝馬最強とするのはさほど異論はない。
ダービーは最も運のいい馬が勝つと称されるが、最も運のいい牝馬という見方もできる。
同じ年のダービーにドリームジャーニーが出ていたが、ドリームジャーニーは東京がそこまで合っていなかった。
ウオッカは東京に相当な適性があった。
中山巧者が最強馬論争に入ることがほとんどないように、ウオッカも府中でしか適性がなかったと考えると、最強馬ではないとも思う。
ちなみに2008年ヴィクトリアマイルから2009年ジャパンカップまで日本で10戦したがすべて東京競馬場でのレースである。
2008年2月の京都開催以前の戦績を見る限り、本当にダービー馬か?と思う戦績にしか見えない。
そもそもダービーを使ってすぐに宝塚記念を使うのは、いくらなんでも謎である。
最強の東京巧者の馬は何かという質問があれば、間違いなくウオッカと答える。
決してウオッカが嫌いではなく、実際に馬券のお世話になったこともある。
2008年安田記念。
ヴィクトリアマイルでエイジアンウインズに負け、それこそダービー馬の看板に偽りがあるのではないかと思われ始めた時期。
この時の1番人気はスーパーホーネット。
さすがにスーパーホーネットより下とは考えにくく、ボックスの中に入れていた。
5頭ボックスの中に香港馬アルマダを入れており、これがハマった。
ウオッカとアルマダで馬連36.8倍は、ウオッカの馬券から考えるとなかなかの高配当と言える。
ただ、この安田記念当時の自分の体調は最悪だった。
大学生で、酒が大好きだった自分は調子に乗って焼酎をストレートでガンガン飲んでいた。
完全な自業自得というやつで、この日はずっと寝込んでいたのを思い出す。
本当にバカだなと思う。
2008年毎日王冠も個人的には印象に強く残っている。
当時3連単を好んで買っており、この毎日王冠はウオッカ1着固定で買っていた。
いくら人気馬と武豊の組み合わせでも、さすがに自分はバカではないので素直に乗る時もある。
相手に人気薄だったアドマイヤフジを入れていた。
ウオッカが逃げる形で直線に入り、3番手にアドマイヤフジがおり、これはもらったと思った。
すると、スーパーホーネットが差し切ったのである。
藤岡佑介という騎手は、トライアルに限れば最強の騎手だ。
今年ももう終わるが、どれだけトライアルを勝ち、本番で負けてきただろうか。
昨年のバスラットレオン、前哨戦で勝って、本番で落馬するという、藤岡佑介を象徴するような事件もあった。
無論この時期はまだ、藤岡佑介というキャラをそこまで把握していないので、スーパーホーネットにやられたとしか思わなかった。
もしもキャラを理解していたらウオッカ1着軸では買っていなかったと思う。
不思議なのは、この時のウオッカに対して何の怒りもなかったことだ。
57キロという斤量は牝馬には重い。
スーパーホーネットは58キロと、斤量差を考えれば「力負け」である。
2008年天皇賞秋についてはダイワスカーレットのところで触れている。
ウオッカが繁殖に上がり、産駒を見る限り、種付け相手の影響もあるだろうか、いかにもズブい馬ばかりが出てきた。
重賞2着のタニノフランケルが最上位となるのだろうが、ダイワスカーレットよりかは結果を出したものの、やはり物足りない。
ウオッカが亡くなって数年が経過するが、最後の産駒が海外で走っている。
その名はセブンポケッツ。
2020年にデビューし2022年3月に初勝利を挙げている。
イギリスのオールウェザーで61キロを背負って2連勝というのが現状である。
タニノフランケルの全弟と考えると、日本ならどうなっていたかと思ってしまう。
ただnetkeibaの掲示板の更新度合いを見ると、根強いファンがいることを思わせる。
最後にひと花を咲かせてほしい。