10年以上前、仕事上でのストレスなどもあって、精神的な病を抱えることになった。
俗に言う「ブラック企業」で、休みはほとんどなく、休みの日でも電話がよくかかってきた。
この電話は同僚からの電話もあれば、お客さんからの電話もある。
その時のクセで、常に音楽なりラジオなり、音声をイヤホンで流しっぱなしの状態にしている。
もしも電話がかかってきた時、音声がミュート状態に移行し、着信に気づけるからだ。
バイブで気づくと思いがちだが、案外気づかないもので、1度電話に出られず、それで怒られたことがある。
以降、休みの日は常にイヤホンをして過ごすようになった。
いわゆる店舗責任者として店舗を任される時も、なぜか他の人が経験していないことをやらされることも多かった。
上司曰く、「お前の役目は鉄砲玉だ」ということで、ただただしんどい道を歩むことになる。
これでそれなりにもらえればいいのだが、そこはブラック企業、薄給である。
ここまで読んで、俺の方が辛いだの、甘いだの色々と思われたかもしれない。
おそらくは読者の皆さんが正しいだろうし、自分の折り合いのつけ方が下手だったんだと思う。
あと、自分が急激に精神的に追い込まれた時期は、上の階が漏水を引き起こすというトラブルにも巻き込まれていた。
あとは高圧的な上司との対峙、これもしんどかった。
仕事人間が上司だと、休みの日まで気が抜けないし、当然有給なんてあるわけがない。
積もり積もって投げ出すように休むことになった。
ちゃんと病名もつき、休むことにはなったのだが、この時には借金がそれなりにあった。
幸か不幸か、休職が決まる直前に限度額の引き上げに関する連絡があり、引き上げが決まっていた。
1社のみにしていたから完済できただろうが、2社、3社といっていたら、親に泣きついていた可能性が高い。
自分が借金をして完済したという事実は、周囲の人間に誰1人打ち明けていない。
家族にも友人にも話しておらず、本当に1人で借金に関して向き合ってきた。
これは休職したという事実もそうで、しばらくは家族にも隠していた。
のちにバレるのだが、投薬しているということが家族は不安で仕方がなかったようだ。
自分が当時通っていた病院に、自分には内緒で訪問し、詳細を聞き出そうとしていたことを後で知ることになる。
郵便物を勝手に開けられたこともあり、今もそうだが、家族に本心をさらけ出すことをやめている。
本当に頼れる人は誰もいない、自分で何とかするしかないという強い気持ちで、サバイブしてきた。
不安なのはわかるし、良かれと思ってやった行為なのも理解するが、今でも許せない。
しかしながら、薬を服用している時は自分の身体ではないかのようだったので、家族が自分と同じ境遇になったら、同じような気持ちにはなるんだろうと思う。
不安定なときほど破滅的にギャンブルをやりたくなるので、意外とそういう薬で命拾いすることもある。
そして、借金の返済は待ったなしでやってくる。
返しては借り、返しては借りの繰り返しである。
当時そんなことが起きていたと分かれば、家族こそ自分を許さないだろう。
何事も知らない方が幸せである。