毎年8月になると、御巣鷹山の事故のほかにも、玄倉川水難事故、ネットでの表現を使うのであればDQNの川流れと称される事故を思い出す。
事故をきっかけにさまざまなことが変化したという意味では、長く語り継いでいくべき事故と言える。
たとえば、「弱い熱帯低気圧」。
弱いのもあれば強いものもあるのかと錯覚しそうだが、実は当時熱帯低気圧は「弱い熱帯低気圧」1種類のみ。
この場合の弱いとは風を意味しており、台風ほどの風ではないが、雨は台風並みに降るという具合。
2000年にはこうした用語が一新され、ごく小さい、小型、弱いなどの表現は削除された。
事故現場を見ると、確かにキャンプができそうなほど広い中洲が存在し、東京新聞の取材当日には高校生が遊んでいた。
雨が降るとガラッと変わってしまうのは驚きであるとともに、当日の雨量は年1回あっても不思議ではないような雨量。
大雨特別警報が出るような災害級の大雨でなくても、あのような事故が起きてしまう。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/colorguide/HPColorGuide_202007.pdf
気象に関する用語や「色」に関して、「情報を見た際に受ける注意・警戒レベルの印象を各種情報で可能な限り一致させて、注意・警戒の喚起効果を高め、気象情報の適切な利用を推進することを目的」に色を決めていると書かれている。
大雨特別警報は黒で表現され、土砂災害警戒情報は紫、警報は赤、注意報は黄色などとわかりやすい。
しかし、人にとってどの色が一番危険と感じるか、それが本当に黒なのかという疑問は常にある。
もちろん有識者の方たちは知識量が豊富にあり、自分のような素人が適当に思いつくよりも信憑性が高く、説得力があるのは当然である。
しかも、特定の色だけ見えにくい、もしくは見えない方もいるため、色々な色覚を持つ方にもリサーチを行って作られたものだ。
これがベストであることは十分に理解する。
それでも、本当に伝わっているのだろうかという疑問は持っておきたい。
危険を示すのは「黄色と黒のセット」、これは一般的にも浸透している。
黄色だけ、黒だけで危険を表現しているケースが多数派とは思えない。
瞬間的に危険を感じ取れるのは「黄色と黒のセット」だと思う。
赤がどうしても危険と判断されやすい色で、黄色と黒でようやく赤一色を上回るような印象を受ける。
そもそも大雨特別警報は、大雨特別警報が出る時点で既に災害が発生しているか、すぐにでも発生するかという状況。
本当は、大雨特別警報など黒色の情報が出る前に避難してほしいというニュアンスのようだが、どこまで浸透しているのだろうか。
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2014_01/20140101.pdf
特別警報が初めて出された時のデータだと、だいたい半数の人が知っていたものの、意味までは知らない人や全く知らない人も合わせれば半数いた。
もちろん10年以上経過して少なくとも下がっていることはないだろうが。
黄色と黒で占めせればいいとは思うが、それは難しいだろう。
赤ないし紫は危険と判断する人が恐らく多いと思われるので、それらの色で強く促すのが妥当のように思う。
今すぐに避難しないと大変なことになるというのを視覚的な観点だけでなく、言葉も活用し、追求し続けることは重要である。
この点に関してはゴールなんてものは存在せず、少しでも高めなければならない点と言える。